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八戸港高度化施設で初日に不具合
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本格稼働した荷さばき所A棟での水揚げの様子。フィッシュポンプ(奥のコンテナ状の装置)の不具合により作業は大幅に遅れた=3日午後3時50分ごろ、八戸港第3魚市場 |
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昨年秋に完成した八戸港第3魚市場荷さばき所A棟が3日、本格稼働を始めた。水揚げ作業の衛生管理を高度化させた施設で、水産物の付加価値向上の期待を担うが、初日は機器トラブルのため作業が大幅に遅れた。
A棟は八戸市が魚市場機能集約計画の一環で館鼻地区に整備。国際的な衛生管理基準のHACCP(ハサップ)に対応しており、冷海水で魚槽内の温度管理をしている改革型巻き網船などの水揚げに使う。ポンプで魚槽内の魚を水ごと吸い上げ、人の手や外気に触れずに自動で計量・出荷できる。
この日は福島漁業(八戸市、福島哲男社長)の惣寶丸船団の改革型巻き網船・第63惣寶丸(279トン)が午前10時すぎに接岸し、北海道東部沖で漁獲したサバ約70トンを水揚げした。しかし、ポンプが約3時間にわたり稼働せず、作業は午後4時すぎまでかかった。
市水産事務所とA棟の機器を設置した同市の業者によると、ポンプの動作開始に必要な「呼び水」がうまく供給されず、魚をためるタンクの水位を感知するセンサーの誤作動も重なったためという。
この日A棟に水揚げされたサバの価格は、同港水揚げの他のサバに比べ1〜5割程度安かった。水揚げの遅れで当日中に首都圏へ輸送できなくなり、鮮魚出荷業者を中心に引き合いが弱まったためという。福島社長は「魚の鮮度が下がり、乗組員を休ませることもできない。常に動くように整備してほしい」と苦言を呈した。市水産振興課の担当者は取材に「点検の体制を強化したい」とした。
八戸港ではこの日、惣寶丸船団を含む巻き網船団7カ統が道東沖のサバ約千トンを水揚げした。
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