福島第1・汚染水:海外メディア辛辣報道
毎日新聞 2013年09月04日 11時20分(最終更新 09月04日 13時15分)
批判の矛先は、原発再稼働と輸出に突き進む安倍晋三政権にも向かう。米紙ニューヨーク・タイムズは「安倍首相が事故処理に積極的な役割を果たすと約束した2週間後に汚染水漏れが発覚した。約束に対する首相の真剣味が問われる」と指摘。政府が3日発表した470億円の汚染水対策費について、米AP通信は「大部分が発表済みのもので、五輪開催地の投票を前に安全性の宣伝との見方が大勢」と伝えた。4日付の韓国有力紙、朝鮮日報は論説委員のコラムで「(IOC総会を意識した対策ということが)事実だとすれば、日本は原発を安全に管理する能力も良心もない国だ」と書いている。
サンチェス・ブラウン氏は、五輪候補地のライバル、スペインでは汚染水という「敵失」を歓迎するような報道は見当たらないとしつつも「五輪には海の競技もある。東京湾が福島から離れているとはいえ、汚染水が選考委員に良くない印象を与えているのは確か」と厳しい見方を示す。