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日本標準商品分類番号
873331
2004年7月作成(第1版)
貯  法:室温保存
使用期限:容器,外箱に表示の使用
     期限内に使用すること
注  意:「取扱い上の注意」の項参照
血液凝固阻止剤
循 環 器注)
心機能の抑制,心電図異常(QT延長等),血
圧の低下等
そ の 他
血色素尿,悪寒,戦慄,発熱,めまい,冷感,
全身倦怠感,代謝性アルカローシス,小児に
緑褐色便,ビリルビン尿
骨 格 筋注)
テタニー,痙攣等
感 覚 器注)
知覚異常
呼 吸 器
苦悶感,呼吸困難
注)クエン酸血を短時間に大量輸血又は返血した場合
消 化 器
悪心・嘔吐
頻 度 不 明
Citramin Solution Fuso -4%
クエン酸ナトリウム液
承認番号 (02E)0020
薬価収載
販売開始 2004年7月
2004年7月
【組成・性状】
1.組成
 チトラミン液「フソー」−4%は1バッグ(袋)中クエン酸ナトリウ
ム4w/v%を含む無色澄明の液である。
 添加物としてpH調整剤を含有する。
2.製剤の性状
 チトラミン液「フソー」−4%はポリエチレン製バッグ(FC:フ
レキシブルコンテナー)入りの無色澄明の液で,清涼な塩味がある。
 pH:6.4∼7.5
 浸透圧比:1.2∼1.4
【効能・効果】
血液凝固
【用法・用量】
 通常,血液100mLにつき10mLの割合で混和して用いる。
 なお,使用量は必要に応じて適宜調節する。
【使用上の注意】
1.慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
 ①肝障害のある患者[クエン酸中毒を起こしやすい。]
 ②低温麻酔時の患者[クエン酸中毒を起こしやすい。]
2.重要な基本的注意
クエン酸血を短時間に大量輸血した場合には,また,血漿成
 分採血時等の体外循環血液の抗凝固剤として使用する際に血
 液との混合比率を高めたり,返血速度を早めたりした場合に
 は,クエン酸が多量輸注され,血中カルシウムイオン濃度の
 低下によるクエン酸中毒(心機能の抑制,心電図異常,テタ
 ニー等)を起こすことがある。このような場合には必要に応
 じてグルコン酸カルシウム等の投与を行うこと。
3.副作用
 本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を
 実施していない。
 下記の副作用があらわれることがあるので,観察を十分行い,
 副作用が認められた場合には,投与を中止するなど適切な処
 置を行うこと。
4.高齢者への投与
 一般に高齢者では生理機能が低下しているので注意すること。
5.小児等への投与
 小児等に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
6.適用上の注意
 ①適用に関する注意:本剤はクエン酸ナトリウム4w/v%を
  含む単味の抗凝固剤であるため,全血及び赤血球成分の保
  存剤としては使用しないこと。
 ②投与前
  1)投与に際しては,感染に対する配慮をすること(患者の
   皮膚や器具消毒)。
  2)体温程度に温めて使用すること。
  3)開封後直ちに使用し,残液は決して使用しないこと。
【臨床成績】
 本剤を血漿成分献血時の体外循環血液の抗凝固剤として用い,85例
(膜法75例,遠心法10例)の健常人より血漿分離(採漿)を行った。
採取した血漿中の総蛋白,蛋白分画,免疫グロブリン,凝固因子等は
いずれも高い回収率が得られ,高品質の血漿採取が可能であった。ま
た,供血者の赤血球等の血液成分,総蛋白,蛋白分画等の生化学検査
値の採漿前値への回復も速やかであった。
 膜法75例中5例(5件)に冷感,しびれ,不快感が,また,遠心
法では10例中1例(3件)に同様の症状がみられたが,これらの多
くは血漿採取操作そのものに起因するものと考えられ,クエン酸に基
づくものと思われる副作用はしびれの1例のみであった。
【薬効薬理】
クエン酸ナトリウムの血液凝固阻止作用は,クエン酸塩が血液凝固
の第Ⅳ因子であるカルシウムイオンを捕捉し,解離度の低いクエン酸
カルシウムとするため血液凝固を阻止するものと説明されている。
【有効成分に関する理化学的知見】
一般名:クエン酸ナトリウム
化学名:trisodium 2-hydroxypropane-1,2,3-tricarboxylate
    dihydrate
構造式:
分子式:CNa・2H
分子量:294.10
性 状:無色の結晶又は白色の結晶性の粉末で,においはなく,清涼
    な塩味がある。水に溶けやすく,エタノール(95)又はジエ
    チルエーテルにほとんど溶けない。
HO CO2Na
CO2Na・ 2H2O
NaO2C
1)
2)
【取扱い上の注意】
1)通気針は不要
2)内容液の漏出又は混濁などが認められた場合は使用しないこと
3)オーバーシール(ゴム栓部の汚染防止のためのシール)が万一はが
 れているときは使用しないこと
4)ゴム栓への針刺は,ゴム栓面に垂直に,ゆっくりと行うこと。斜め
 に刺すと,ゴム片(コア)が薬液中に混入したり,ポート部を傷つ
 けて液漏れを起こすおそれがある
5)容器の目盛はおよその目安として使用すること
【包   装】
250mL    10袋(FC)
500mL    10袋(FC)
 FC(フレキシブルコンテナー)は,弊社が開発したポリエチレン
製の輸液用バッグである。
【主要文献及び文献請求先】
1)関口定美 ほか,日本輸血学会誌,35,322(1989)
2)第十四改正日本薬局方解説書,C−1179(2001)
[文献請求先]扶桑薬品工業株式会社 研究開発センター 医薬情報部門
      〒536-8523大阪市城東区森之宮2丁目3番30号