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【格闘技】

亀田大毅が2階級制覇

2013年9月4日 紙面から

5R、ロドリゴ・ゲレーロ(左)を攻める亀田大毅=サンメッセ香川

写真

◇IBF世界スーパーフライ級王座決定戦

 亀田大毅(24)=亀田=がロドリゴ・ゲレロ(25)=メキシコ=に勝ち、WBA世界フライ級王座に続く2階級制覇を達成した。両者ともダウンのないまま12回を闘い抜き、大毅が3−0の大差の判定で制した。亀田家はWBA世界バンタム級王者の長男興毅(26)、WBO世界バンタム級王者の三男和毅(22)を含めて世界初の3兄弟同時世界王者になるとともに、世界主要4団体を制覇した。年末に3人同時世界戦というビッグマッチ開催が現実味を帯びてきた。 (観衆4000人)

 大毅が泣いた。勝利インタビューでマイクを向けられると、感極まった。「うれしすぎて…」。そう言うと、顔がクシャクシャになった。

 しかし、ここからが、この男の見せ場である。「また帰ってきます」と言い置いて、いったん控室へ。ドクターチェックをすませて5分ほどでリングに戻ると、ワンマンショーの始まり。ゆずの「栄光の架け橋」を熱唱した。

 この歌の歌詞にあるように、勝利の裏には誰にも見せない涙があった。7月末、猛暑の中で練習をしている時、「暑すぎて俺、血を吐いた」と告白した。肉体が酷使とプレッシャーでむしばまれていたのだろう。8月1日に三男和毅がWBO王座を獲得すると、3兄弟同時世界王者の快挙が肩にのしかかった。膝、太もも、腰と、次々に悲鳴を上げたが、自分の体にムチを打ち続けた。

 忘れられない悔しさがあった。2011年12月、WBA世界スーパーフライ級王者テーパリット(タイ)と打ち合って、2階級制覇に失敗(判定負け)。そのときの反省から、今回はほぼノーガードで楽に構え、軽やかなステップを左右に踏んで相手をいなし、機を見てノーモーションの右ストレートを決めるなど、頭脳戦を仕掛けた。終盤には打ち合って見せ場もつくった。

 自分では、3兄弟の落ちこぼれだと思っている。「お兄ちゃん(興毅)も和毅も強い。俺が世界王者になれるなんて、奇跡や。オヤジ(父・史郎氏)のおかげや」と父・史郎氏へ感謝した。そして最後にドッキリの引退発言。「プロで30戦以上。しんどい。もうやめようかな」とポツリ。「今は先のこと考えたくないだけや」と慌てて撤回した。年末に計画される3兄弟同時防衛戦でも、間違いなく歌う気でいる

  (竹下陽二)

 

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