海上自衛隊おもしろ用語辞典        




は じ め に

 このページでは、海上自衛隊に関する様々な言葉を知っていただき、海上自衛官の異種的ともいえる習慣と、海上自衛隊ファンの予備知識としていただければと思います。
 基本的に作者が知る限りの情報や、ご投稿いただいたものを随時乗せていておりますが、なにしろ思いだしながらの製作なので、その時点でちまちまと改訂しております。

 なお、ここに掲載されていない事項でなにか知っておられる方はぜひ製作者までメール等にて情報提供をお願いいたします。


おもしろ用語辞典の読み方

・基本的に50音順、アルファベットも発音上の50音の位置に掲載しています。

のついている用語は更新時に新たに追加された用語です。

・用語の後の()はその読み方、「」のなかの最初の部分は大分類の表記、ついで「隊内用語」は良く使われる用語、「隊内隠語」はあまり一般社会で使うのは好ましくない用語、「海軍伝来」とは帝国海軍時代から未だに使われている用語のこと。
その後のカナ1文字は用語の分類用の頭文字です。



おもしろ用語辞典にネタ提供していただいた方々。

・かとちゃん様(元海上自衛官?)「豆鉄砲」ほか6点
・18号様(元海上自衛官)「術校ラブ」ほか6点
・asroc様(元海上自衛官)「寄港地講話」ほか計6点
・Lee様(自衛官の妻)「ジエカジ」ほか3点

ご協力、ありがとうございました♪




海上自衛隊おもしろ用語辞典

 現在、121点の用語を掲載中です。

 最終追加:2002.3.6 9点(一部は概出の追記)追加。

[あ行]   現在掲載 22点     [ま行] 現在掲載 7点
[か行]   現在掲載 19点     [や行]  現在掲載 2点
[さ行]   現在掲載 30点     [ら行] 現在掲載 6点
[た行]   現在掲載 14点     [わ行] 現在掲載 1点
[な行]   現在掲載 1点     [アルファベット]  現在整理中
[は行]   現在掲載 18点    





あ 行

愛国心(あいこくしん)「主義、思想・ア」
・・・・・・今の自衛官にいちばん欠如しているのではないかとされるもの。
     戦後の日本教育ではあえて子供達には教えなかった教育内容のひとつ。

赤いきつね(あかいきつね)「徽章・隊内隠語・ア」
・・・・・・勤続10年で授与される第28号防衛記念章の俗称。
     関連語:「緑のたぬき」
(図)赤いきつね(第28号防衛記念章)

赤黒(あかくろ)「信号・ア」
・・・・・・3ノット刻みの基準の速度に対し、エンジンの回転数を下げることで微妙な速度調整
     を行っていることを示す。赤は回転数の減(減速)を表し、黒は回転数の増(増速)を
     意味する。ちなみに、現代の艦艇では10回転でおおむね1ノットの増減ができる。

赤旗(あかはた)
・・・・・・1.「訓練等・ア」 海上自衛隊の必修科目・「手旗」において右手に持つ
                ほうの旗。
・・・・・・2.「書物・ア」 自衛隊を最も忌み嫌っているとされる団体「日本共●党」の
               機関紙。年間発行300万部といわれているらしいが、本当
               の実数は定かではない。自衛隊内では一部の部隊におい
               て購読されているというウワサがある。

赤レンガ(あかれんが)「施設・ア」
・・・・・・あまりにも定番過ぎて用語という認識すら作者になかった、江田島の幹部候補生学校
     の概観からとった幹部候補生学校の通称。あまり魅力を感じない艦船士官へに昇進
     を望まない海曹は、この言葉に拒否反応を示す。

雨衣(あまい)「制服・ア」
・・・・・・一般社会で言うところの「カッパ」「レインコート」。自衛隊員は制服や作業着の
     着用時は傘をさしてはイケナイという規則があるため、この装備は必需品。
      私が現職のとき、自宅からこれを着て通勤してくる大物がいた。

アメちゃん(あめちゃん)「国家・隊内隠語・ア」
・・・・・・米軍に対してあくまでも親しみを込めた表現の隠語。
     (反対語:ヤンキー

アラーム(あらーむ)「訓練・ア」
・・・・・・艦艇部隊等において戦闘状況を開始する際に艦内に発する信号。
     耳を劈くような電子音はいつ聞いてもイヤな音である。

イカ釣り舟(いかつりぶね)「艦種・隊内隠語・イ」
・・・・・・地方隊所属のDEクラスの護衛艦を揶揄した隠語。
     どうしてそう呼ばれるかは、私には言えません…。

1号業務車(いちごうぎょうむしゃ)「装備品・ト」
・・・・・・正式名「業務車1号」。中型のライトバンで、シートに白カバーがかかっているの
     は佐官の公用車。ちなみに地連のオヤジが乗っている白バンは「2号業務車」
     という。3自衛隊共通でどういうわけだか旧型の日産セドリックバンしか見かけ
     ない。今や陸自のトラックだってオートマチックのこのご時世にコラムマニュアル
     というとてつもないトランスミッションを搭載している。

一国平和主義(いっこくへいわしゅぎ)「主義、思想・イ」
・・・・・・「自分の国が平和なんだったら他の国のことはどーでもいいんじゃないの?」
     という、平和ボケ日本国民の象徴的思想次元。「戦争反対」だの「自衛隊違
     憲」だの言ってる奴ほどこの思想を持っていたりする(もちろん全員がそうで
     はないだろうと思うが)。

WAVE(うぇーぶ)「隊員・ウ」
・・・・・・海上婦人自衛官の自衛隊内での呼称。隊内での分類としては「春っ子」と
     「秋っ子」の2つに分けられる。(この2つは隊内用語。婦人自衛官の入隊
     は4月と9月の2回あるため、このように言われる。)
     「秋っ子」入隊の場合、音楽まつりの演技隊に参加させられたり、観閲式に
     参加させられたりと結構多忙な教育期間を迫られる。
     ちなみに、現在は春1回しか入隊がない。

海を行く(うみをゆく)「歌曲名・ウ」
・・・・・・海上自衛隊隊歌。部隊に行くと歌う機会はガクンと減る。2002年に歌詞改定。
     3番まであるが、参考までに改定前の1番の歌詞は
      ♪男と生まれ 海を行く 若い生命(いのち)の血は燃える
        ♪薫れ桜よ黒潮に 備え揺るがぬ旗印
          ♪おお選ばれた 海上自衛隊(じえいたい) 海を守る 我等
     海上自衛隊と書いてじえいたいと読むところが素晴らしい。

英語(えいご)「ことば・エ」
・・・・・・海上自衛官の第2公用語。勉強が嫌いで入隊したのに、融通の効かない米軍の
     皆様のために結局習わなければならなくなる言語。最近の若者を街で見た
     年配の上級海曹たちは口々に「最近の若者は英語のようなコトバをしゃべっと
     るワイ」と漏らす。

栄養士(えいようし)「職種・エ」
・・・・・・陸上部隊においてはなんとこのカタガタがいるらしい。
     一応、このカタガタも模擬メニューとやらを作るらしいが、このメニューの豪華
     さと実際に隊員のもとへと出されるものとの間には日本の憲法第九条の本音
     と建前とのギャップに近い差があるらしい。
     しかし、それを突っ込む度胸のある隊員は1人として存在しない。

えと袋(えとぶくろ)「用具・エ」
・・・・・・船酔いに負けてしまう新人艦乗りの必需品。
     民間の皆様が言うところの「エチケット袋」。
     つまり、それそのものを「えと」といいます。

エロ本(えろほん)「書物・エ」
・・・・・・自衛隊内の書店において最も良く売れる分野の本。
     実用(作者註:私にはなんのことか分かりません。)としても重宝される。

煙缶(えんかん)「用具・エ」
・・・・・・いわゆる煙草の吸殻を入れるカンのこと。自衛隊では防火対策にことのほか
     厳しく、これが無いところでの喫煙はいかなる理由であれ許されない。
     通常、業務用缶詰の空き缶や空の弾薬箱(スチール製)を赤や黄色のペンキで
     塗って使用するが、これより大型の「タバコ盆」という種類もある。

F作業(えふさぎょう)「生活・隊内隠語・エ」
・・・・・・航行中の娯楽として許可されることがある、いわゆる「釣り」。決して正式業務
     ではない。

援護(えんご)
・・・・・・1.「訓練・エ」 作戦中において、味方の攻撃を支援する攻撃法。
・・・・・・2.「業務・エ」 任期満了や定年退職してゆく自衛官のためにその後の就職の
              世話をする業務。「与えた任務は絶対実行する」能力と「上司
              の命令には服従」する能力が染み付いている上、資格を多数
              所持しているこうした自衛官を欲しがる企業は意外に多い。

お疲れさまです(おつかれさまです)「生活・オ」
・・・・・・自衛官が先輩に会った時に口癖の様によく言う言葉。あくまでも先輩・同僚への
     謙譲語であるが、いつの日か挨拶の言葉と同等の定文句となっている。
     逆に司令、艦長クラスの口癖は「ごくろう!」。
     この違いは自衛隊では確固として分けられており、この使い分けは特に厳しき
     指導を受ける。

お先に失礼します(おさきにしつれいします)「生活・WAVE限・オ」
・・・・・・WAVEが、先輩より先にお風呂から出る時に言う言葉。外出する時にも言う。





か 行

海上自衛隊(かいじょうじえいたい)「組織名(名詞)・カ」
・・・・・・辞書を引くと、「防衛庁に属し、日本の海上における防衛任務にあたる(旺文社
    国語辞典)」とある。なんだかよく分からない。

海曹士(かいそうし)「隊員・カ」
・・・・・・海上自衛隊において、3等海士以上、海曹長までの階級の者を指す言葉。
     (類似語:下士官・兵)

下士官・兵(かしかん・へい)「隊員・海軍伝来・カ」
・・・・・・海曹士と同じ語。

ガブる(がぶる)「状況・カ」
・・・・・・航海中に大波やシケに見まわれ、艦が大揺れになってしまう状態。

カポック(かぽっく)「装備品・カ」
・・・・・・艦艇部隊において艦外作業時や戦闘状況中の際に着用する、救命胴衣。
     胴と首をガードする構造となっているほか、緊急用の笛もついている。
     見た目の重厚さから防弾チョッキの機能もあると勘違いされやすいが、
     あくまでも救命胴衣なので防弾機能は一切ない。

カレーライス(かれーらいす)
・・・・・・1:「制服・カ」 海上自衛隊において2等海佐以上の幹部自衛官の制帽
              のつばの部分についている刺繍。
・・・・・・2:「食品名:カ」 海上自衛隊では毎週金曜日の昼食と暗黙の規定が
               ある名物料理。調理員によってそれぞれのレシピを持って
               いる。

官舎(かんしゃ)「施設名・カ」
・・・・・・妻帯者の自衛官と士官の一部のみが入居を許される、官営住宅。家賃が破格
     に安いのがメリットだが、非常に古くて汚い。退去時には自分達でリフォーム
     してから明渡さなければならないのが官舎での常識。

官品(かんぴん)
・・・・・・1.「制服、装備・カ」 国から支給される物品を指す言葉。制服・徽章類から
                  弾薬にいたるまでさまざま。
・・・・・・2.「人物・隊内隠語・カ」 自衛官同士が結婚し、その夫婦の間に生まれた
                     子供のこと。

缶飯(かんめし)「食品名・カ」
・・・・・・通常の配色が困難な状況において出される缶入りのご飯の缶。
     最近はバラエティー豊かになり、選ぶ楽しみが広がってきました!?。
     (本当はものすごく評判が悪い…。)
     ちなみにこれを食べるためには缶切りが必需品。忘れるとエライ目に遭う。

寄港地講話(きこうちこうわ)「訓練?・キ」
・・・・・・普段はあまり入港しないような港への入港予定前日に、郷里出身者や
     警衛海曹が総員に対し御当地の見所・名産品等の説明を行う。
     特に、この区域には行かないようにと指示された場所は面白い所と若い
     曹士は理解する。また、気の聞く講話者はナンパスポットやムフフなお店の
     場所も説明してくれる。

君が代(きみがよ)「国家・キ」
・・・・・・自衛官と戦前派のカタガタとスポーツプレイヤーの間でしか使用されていない
     のではないかと思うくらい愛着の低い日本国の国歌。
     ひどいケースだと「大相撲の千秋楽の歌」とまで勘違いされているらしい。

キャブオール(きゃぶおーる)「装備名・キ」
・・・・・・基地で使用する2t積み業務トラックの総称。
     本来はかつて日産自動車が製造していた2tトラックの車名(商品名)。
     現在はこの車名のトラックは生産されていないが、当時はこの車種が海上自衛隊に
     多数納入されたらしく名前として定着。現在も用語状態で残っている。


救世軍(きゅうせいぐん)「組織・キ」
・・・・・・憲法において軍の存在を否定する日本において唯一その存在が認められて
     いる世界規模の「軍」。制服を着ていてもいやな顔をされなかったり、階級が
     「大佐」とか言われていてもなにも文句を言われないあたり、自衛隊とは雲泥
     の差がある。

グリコのおまけ(ぐりこのおまけ)「旗章、徽章類・隊内隠語・ク」
・・・・・・正式には「防衛記念章」。制服の胸に燦然と輝くカラフルなリボンのこと。賞詞
     の授与や部隊の表彰・海外活動等に従事すると支給される。
     公式行事などで整列する際、若い士官が何個もグリコのおまけを持っている
     海曹士の横に立つのはちょっと恥ずかしい。

下宿(げしゅく)「施設・ケ」
・・・・・・主に艦艇部隊の乗員が基地の外に借りているアパートを指す。航空隊や陸上
     勤務員が借りても下宿。独身隊員は現住所が部隊にあるため、住所地としては
     法的に認められていない。
     ちなみに、下宿に帰るのではなく、「下宿に行く」のであって、下宿から出勤するの
     ではなく「下宿から帰艦する」のが正しい。

後発航期(こうはつこうき)「懲戒・隊内用語・コ」
・・・・・・分かりやすく言うと、遅刻して出港に間に合わなかったことを言う。
     海上自衛隊ではこれは重罪。停職などの重処分も十分にありえる。

古古米(ここまい)「食品名・隊内隠語・コ」
・・・・・・海上自衛隊において、隊員が食べさせられているとされるもの。

5分前(ごふんまえ)「日課・海軍伝来・コ」
・・・・・・海上自衛隊では常識となっているこの習慣。基本精神は「艦の中は広いの
     で早目の行動が肝要」という発想。

五本指靴下(ごほんゆびくつした)「物品・コ」
・・・・・・水虫が職業病の自衛官が愛用する!?指先部が5本に分かれている靴下。
     慌てて履くと、2本同時に同じ指の袋に入ってしまうので注意!
     ちなみに最初はかなり抵抗があるが、慣れてくると病みつきになるほどの
     フィット感でやめられなくなってしまう。





さ 行

サイドパイプ(さいどぱいぷ)「物品・サ」
・・・・・・艦内号令に使われる海軍独特の笛。海上自衛隊での正式名は号笛「甲」。
     ボースン・パイプとも言われる。
     単なる笛だが、たいこ部分を持つ手の形や息づかいでさまざまな音を出せる。

逆さベンツ(さかさべんつ)「旗章、徽章類・隊内隠語・サ」
・・・・・・正式には「体力徽章」。体力検定で1級の認定を受けると次の検定までの
     1年間着用ができる。徽章の中央にあるマークがベンツのマークをさかさま
     にしているのに似ていることから転じてついたあだ名。

作業員(さぎょういん)「隊員、サ」
・・・・・・作業や行事等の雑役として派遣される者をまとめてこのように呼ぶ。
     用例:「おーい!今日は草刈りやるぞー!各分隊、作業員5名ずつ派出するように!」

サンドパワー(さんどぱわー)「装備名・サ」
・・・・・・「無電池電話」とも言われる。海上自衛隊の艦艇ではもっとも使われている艦内
     通信用の電話機。発振・増幅に電気ではなく永久磁石を用いているので艦内の
     電気系統が使えなくなっても交信ができる昔からの装備品。複数の交話系統を
     切り替えることで、指揮系や見張系など、目途別に系統分けされている。

自衛艦旗(じえいかんき)「旗章、徽章類・海軍伝来・シ」
・・・・・・海上自衛隊の艦艇等において掲揚される、海上自衛隊のシンボルとも言
     える旗。これを掲揚して航行する艦艇は国際法規上、内火艇であっても日本
     国の艦艇とみなされる。他にも、観閲行進の際にも使用されるが、自衛隊内
     では「日の丸」と同じぐらいの丁重な扱いを受けている。

自衛隊後援会(じえいたいこうえんかい)「隊内隠語・シ」
・・・・・・いわゆる、「右翼系団体」の皆様のことを指す隠語。自衛隊基地の周辺では
     左翼系の皆様の活動が活発であるが、この後援会の皆様がその活動を煽動
     して行動を妨害してくれるのだが、時として収拾がつかなくなることもあり、後援
     活動も程々にお願いしたいものである。

自衛隊マンボ(じえいたいまんぼ)「訓練・隊内用語・シ」
・・・・・・海上自衛隊オリジナルの筋力トレーニングの種目。2回跳ねて空気椅子の
     姿勢でしゃがみこむことでカウント1回。100回やればいいトレーニング。

ジエカジ(じえかじ)「服装・外来語・シ」
・・・・・・およそ現代のカジュアルファッションのスタイルとはかけ離れる自衛官独特の
     私服のスタイル。語源は隊内から来たものではなく、自衛隊ファンの民間人の
     間で発生したと思われるが、誰が一番最初に言い出したのかは不明。
     最も一般的なジエカジコーディネイトはスニーカーにジーンズ・ポロシャツ・
     綿シャツ、帽子の組み合わせ。腰からポケットに鎖がついていれば完璧です。
     ちなみに鎖の先には身分証明書入れがついています。紛失防止。
     (用例:このようなファッションスタイルの自衛官を指して「ジエカジ君」)

士官(しかん)「隊員・海軍伝来・シ」
・・・・・・海上自衛官において、3等海尉以上の階級にあるものを指す。

使個責規団(しこせきだん)「教育・隊内隠語・シ」
・・・・・・自衛官の心がまえ(使命の自覚・個人の充実・責任の遂行・規律の厳守・団結
     の強化)を短期間で覚えるために編み出された略語。

J隊(じぇーたい)「呼称・外来語・シ」
・・・・・・ネット上の自衛隊ファンが自衛隊を隠語として用いるために言い出した言葉。
     従って隊内ではあまり使われていないと思われるが、あまりにも有名になった
     自衛隊用語のひとつである。初出不明。
     余談(私見):海爆長はこの単語は嫌いです。

J官(じぇーかん)「呼称・外来語・シ」
・・・・・・上の「J隊」と同じ理論で自衛官の隠語表現。やはり初出不明の外来語。
     余談(私見):海爆長はこの単語も嫌いです。


シャリ番(しゃりばん)「作業・シ」
・・・・・・科員食堂の準備・片付け、食器洗い当番。通常2ヶ月間海士から出される。


術校ラブ(じゅつこうらぶ)「生活・隊内隠語・シ」
・・・・・・公には認められていないが、術科学校(術校)で知り合って付き合い始めた
     馴れ初めを指す言葉。
     これの究極が(術校ラブでできちゃった婚の官品ベイビー)。

巡検(じゅんけん)「日課・海軍伝来・シ」
・・・・・・1日の日課を締めくくる、隊内の重要な日課。当直士官が隊内をまわり、隊員の
     状態や清掃の状況を点検して廻る。日課上の時間は2000(午後8時)。

掌士官(しょうしかん)「職種呼称・隊内用語・シ」
・・・・・・下士官・兵と士官の中間にある階級である准海尉について、士官との区別を
     つけるために用いられる呼称。
     准尉と言う階級自体は長く勤める自衛官にしか付与されない階級だが、CPO
     にも入れず、長く下士官で鍛え上げただけに士官室では居心地が悪いと
     あちこちを徘徊する。結果、己の豊富な経験と年の功を基に中立的な立場で
     広くものを判断できる非常に存在価値のある存在。

ジョー!!(じょー!!)
・・・・・・1.「部外・シ」超名作アニメ「あしたのジョー」の最終回で丹下段平が
      セコンドで力尽きた矢吹丈にかけた有名な言葉。「―、立つんだ―!」
・・・・・・2.「号令・隊内隠語・シ」上陸員整列時に舷門当番がかける号令。
      正しくは「上陸員整列」という号令だが、長年の習慣でこれしかなくなって
      しまった。
     ※海爆長はこれを勝手に「前1語のみの法則」と言っています。
       ほかに、海上自衛隊の号令にはこれと逆の「前1語抜きの法則」と
       いうのもあります(「テーっ!!」の項参照。)
      (付記)前1語のみの法則に基づく他の号令詞
       ・オー!(応急員整列)
       ・ツ!(「捧げ銃」の「銃」の号令。実際は「た」や「て」が混ざる発音。)

しらせ(しらせ)「艦種・シ」
・・・・・・南極観測に従事する砕氷艦。実はこの「しらせ」が海上自衛隊籍のフネだと言う
     ことを皆さん知ってましたか?

将官車(しょうかんしゃ)「装備品・シ」
・・・・・・基地司令や群司令等・幕僚長など、海将補以上の階級の者でないと乗れない
     黒塗りのVIP用公用車。同じようでも身分によって車の違いがあるらしい。
     分かっているのは横須賀地方総監の車はトヨタクラウン(=年季もの)。
     ほかに、日産セドリック(1号業務車のセダン型)や、クラウンコンフォート(タクシー
     でよく見かける。舞鶴でドライバーをしていた方の証言。)などあり。
     この車を見かけた者は何人たりとも姿勢を正し、挙手の敬礼。

上陸(じょうりく)
・・・・・・1.「行動・シ」海上から陸地へ上がること。例:ノルマンディ―作戦
・・・・・・2.「行動・シ」海上自衛隊艦艇部隊において外出することをこう言う。

上陸止(じょうりくどめ)「処罰・シ」
・・・・・・隊内で問題を起こした隊員が一時的に上陸を差し止められる軽処分。
     もちろん正式な罰則ではないが、その効力は正式処分より絶大。

上陸札(じょうりくふだ)「物品・シ」
・・・・・・上陸する際に舷門に預け、掲示することで上陸員を把握するための札。
     昔からの伝統により新鋭艦でも木でできている。筆書きが一般的だが、
     一部にはテプラで書いてあるものもある。


スタディーガイド(すたでぃーがいど)「書物・隊内用語・ス」
・・・・・・隊内での教務に使用される学生配布用の教本。一般社会における「マニュア
     ル」や「教科書」とは違う意味合いを持つ。
     長く繰り返し再版しているうちに文字がつぶれて読みづらかったり、上質紙の紙
     が途中でいきなりわら半紙に変わったりと時代によって変化に富んでいる。
     ちなみに、「マニュアル・教科書」に近いものは「教範」と言い、こちらは取扱注意
     の書籍なので教官室や資料庫に行かないとお目にかかれない。

スマートで 目先が利いて 几帳面 負けじ魂 これぞ艦乗り
    (すまーとで・めさきがきいてきちょうめん・
      まけじだましい・これぞふなのり)
「教訓・隊内用語・ス」
・・・・・・海上自衛隊の望ましき隊員としての心得。「シーマンシップの心得」とも言う。
     これだけの重みのある言葉の羅列をこれほどの短さに凝縮した合言葉は、
     恐らく他に行ってもないだろう。

税金泥棒(ぜいきんどろぼう)「外部・セ」
・・・・・・一時期、自衛隊そのものを指して現行憲法の信奉者たちが愛用した台詞。
     最近は余り聞かなくなったあたり、自衛隊もやっとこさ世間に認知されてきたと
     言うことか。

セキュリタリアン(せきゅりたりあん)「書物・セ」
・・・・・・防衛庁の外郭団体、「防衛弘済会」において出版されている、防衛庁の公式
     出版物。実際のところは防衛庁内局の職員が編集にからんでいる。
     内容からしても「開かれた自衛隊」の象徴的読み物で、いまいちもどかしさの
     漂う構成ではあるのだが・・・。

潜水艦(せんすいかん)「艦艇の種類・セ」
・・・・・・隊内での種別呼称は「SS」。文字通りの潜水艦。適性にパスし、選ばれた者だ
     けが潜水艦要員となり、呉の「潜水艦訓練隊(略称:潜訓)」に入校できる。
     一度出港するとなかなか母港に帰れない。

洗濯板(せんたくいた)「用具・セ」
・・・・・・この自動化の進んでいるご時世において自衛隊内では未だに愛用されている
     道具。10・20代の若さで洗濯板の使い方を知っているのは本当に自衛隊員
     くらいではないだろうか?

戦闘配食(せんとうはいしょく)「食品・セ」
・・・・・・作戦行動中(=戦闘訓練中)で総員が配置に着いているために食堂での喫食が
     不可能な状況下において出される折り詰めの食事。
     定番はおむすび2個、つまめるおかず(ウィンナー等)少々、漬物。
     ただ、配置で食べながら任務を続行するので食べた気がぜんぜんしない・・・。

そうふ(そうふ)「用具・ソ」
・・・・・・一般社会でよく見かける「モップ」と似て非なる、長い柄にモップ状の紐がほうきの
     ように束ねられている掃除用具。陸・空の自衛隊には存在しない。
     教育中はこの取り扱いを徹底的に仕込まれる。
     (補足)作者は教育中にこの掃除用具を「桑布」「内舷マッチ」だと思っていましたが、
     最近違うと指摘がありました。事実確認ができるまでこの状態にしておきます。





た 行

隊歌演習(たいかえんしゅう)「訓練・タ」
・・・・・・自衛隊に数ある隊歌や愛唱歌を声高らかに歌い、持って士気の高揚に繋げる目的
     があるれっきとした訓練のひとつ。
     「隊歌演習用意!」という号令で歌詞カードを持った右手をまっすぐ前に伸ばし、
     「始め!」で足踏みをしながら大きな声で歌う。場所が広ければそのまま円陣を組
     んで行進しながら歌うことも。

台風(たいふう)「生活・隊内用語・タ」
・・・・・・教育期間中において、清掃や整理・整頓の状態が目に余るほどひどいときに,
     教官が戒めのために行う儀式。台風通過後のように居住区の中はもののみご
     とに荒れ野原と化す。

台風避泊(たいふうひはく)「作業・タ」
・・・・・・港で係留時に台風が接近し、引き続き係留すると艦に影響があると認められ
     ると緊急出港して湾内の安全なところまで避難する業務。
     これがかかると休みも代休もデートの予定もすべて取り消しとなってしまう。

たこ
・・・・・・1.「蛸(タコ)」 「生物・タ」  大阪名物「たこ焼き」にはかかせない具の一種。
                       乗員が和歌山あたりに入港したら、大阪まで
                       南海電車で一直線、これを食べにひた走る。
・・・・・・2.「TACCO(タコ)」 「職種・タ」  海上自衛隊の航空機において、戦術の情報
                          処理を主任務とする戦術航空士。

立付(たてつけ)「訓練・隊内用語・タ」
・・・・・・民間で言うところの「予行練習」に近いことば。
     儀式等を迎えるにあたり、さまざまな調整を図るために行われる。

チョンガー(ちょんがー)「隊員・隊内隠語・チ」
・・・・・・独身隊員を指す隠語。本来は差別用語なので一般社会では使わないほうが
     無難。この独身隊員で内々に作った地下組織(?)を「チョンガ会」という。
     艦艇の中では人間関係が悪くない限り、ほとんどの艦が作っているはず。

チョンガ長(ちょんがちょう)「隊員・隊内隠語・チ」
・・・・・・前出のチョンガ隊員のうち、最先任の隊員のことを指す隠語。

地連(ちれん)「部隊・チ」
・・・・・・正式名称は「地方連絡部(ちほうれんらくぶ)」。地元地域や団体との連絡役・
     窓口の役割をになう他、隊員の募集業務も担当している。

…のオヤジ(ちれんのおやじ)「職務・隊内隠語・チ」
・・・・・・地方連絡部の募集事務担当者を、募集される(された)立場から表現する隠語。
     軍艦マーチの替え歌に「♪地―連のオヤジにだ―まさ―れてー♪」と言うのが
     ある。

テーっ!(てーっ!)「号令・テ」
・・・・・・実際は「撃てーっ!」ということになるが、「う」が長年の習慣で何処かへ行って
     しまった。
     (用例1)「アスロック発射用ー意!・・・テーっ!!」
     (用例2)「位置について、用ー意!テーっ!!」
     ※海爆長はこれを勝手に「前1語抜きの法則」と言っています。
       ほかに、海上自衛隊の号令にはこれと逆の「前1語のみの法則」というのも
       あります(「ジョー」の項参照。)
     (付記)「前1語抜きの法則に基づく号令詞
       ・ターィ!!(分隊整列)
       ・ギョ―ッ!!(課業整列)
       ・カレー!!(掛かれー!)実際は「カ」の発音がすごく小さい。
       ・ゲーッ!!(揚げ―!!)自衛艦旗掲揚時の号令。

伝統墨守唯我独尊(でんとうぼくしゅゆいがどくそん)「思想・隊内隠語・テ」
・・・・・・・海上自衛隊の運用思想や体制を皮肉った造語。帝国海軍の文化を色濃く残
      し,その割には米軍からの文化も取り混ぜて訳が分からないサマをうたって
      いる。

父っチャン幹候(とっちゃんかんこう)「隊員・隊内用語・ト」
・・・・・・海上自衛隊内では幹部候補生が大きく3つに分かれており、この種別は正式には
     「C幹候」と呼ばれるのだが、本来は艦のCPOに入ってもよさそうな年代の候補生の
     集団であることからこう呼ばれる。ずーっと先任海曹室で余生を送ろうと思っていた
     としても、一度これに呼ばれてしまうと逃げ切ることは不可能。

トラペア(とらぺあ)「物品名・ト」
・・・・・・一般社会ではこの機材のことを「OHP」と呼ぶ。しかしなぜか海上自衛隊ではこんな
     名前がついている。

トラメガ(とらめが)「物品名・ト」
・・・・・・一般社会ではこの機材のことを「ハンドマイク」と呼ぶ。しかしなぜか海上自衛隊では
     こんな名前がついている。謎。





な 行


入港ぜんざい(にゅうこうぜんざい)「食物・海軍伝来・ニ」
・・・・・・母港入港前日の夜食に出されるぜんざい。海軍時代の名残らしい。
     現在では夜食制度が一部を除きなくなり、ない艦船もある(調理員所定か?)
     入港前日ということで一緒に「赤まむしドリンク」が出される艦もあったが、これの
     意味するところは・・・





は 行

パセリちゃん(ぱせりちゃん)「商標?名・ハ」
・・・・・・防衛庁・自衛隊のイメージキャラクターとしてピクルス王子とともに日夜日本の
     防衛庁の広報活動に従事する。ピクルス王子とは微妙だが親密な関係にある
     と思われる。防衛庁の広報媒体としては非常に良く使われているが、殊の外
     著作権にうるさいらしい。
     参考:「ピクルス王子

パチンコ屋(ぱちんこや)「外部・ハ」
・・・・・・今や日本の防衛費を上回る規模で成長中の市場。
     娯楽ボキャブラリーの少ない自衛官にはここの愛用者がものすごく多い。
     「台風避泊」の際にここへ連絡をとってアナウンスしてもらえるだけで、艦の
     乗員の三分の1は帰ってくる!?
     また、ここの前を通る海上自衛官は何時の間にか条件反射で歩調が整って
     しまうという悲しき性を持つ。

半舷上陸(はんげんじょうりく)「行動・ハ」
・・・・・・上陸する乗員を訓練や警戒配備、広報などの都合で一定の割合にする際に、大きく
     二つに分けた上陸区分。逆に二つに分ける当直を「半舷直(半直)」という。

ピカール(ぴかーる)「商品名・ヒ」
・・・・・・海上自衛隊にとどまらず全自衛隊で流通している金属磨き。
     海上自衛隊では真鍮を磨くのに多用されるが、その他の金属一般にものす
     ごい効果を発揮する。

ピクルス王子(ぴくるすおうじ)「商標?名・ヒ」
・・・・・・防衛庁・自衛隊のイメージキャラクターとして不動の地位を築いた存在。
     自国では防衛隊の指揮官を勤めているらしいが、日本での防衛広報業務の
     方が忙しいようである。かなり親密な関係と思われる「パセリちゃん」とは
     いつも一緒にいるようだ。
     参考:「パセリちゃん

檜町(ひのきちょう)「部隊・ヒ」
・・・・・・東京・赤坂にあった防衛庁(海上幕僚監部)のことを指す言葉。
     現在は新宿区の市ヶ谷台に移駐しているが、この言葉自体は現存している。
     制服組と背広組の入り混じるこの部隊のやっていることは、現場の者には
     さっぱり理解に苦しむ。

ぴよどり(ぴよどり)「艦名・隊内隠語・ヒ」
・・・・・・横須賀に係留されていた前迎賓艇「ひよどり」を揶揄した表現。
     (類似語:屋形船ひよどりぴよちゃん

不関旗(ふかんき)
・・・・・・1.「旗章、徽章・フ」 演習時に艦隊行動から離脱する艦や演習に無関係
                  の艦が訓練海域を航行する際に掲げる旗。
・・・・・・2.「習慣・隊内隠語・フ」 これが転じて、自分は関係ないとばかりにすっ
                     とぼけた態度を示す隠語に。
     (2.の用例:「あいつ、不関旗を掲げやがった」)    

不況(ふきょう)「外部・フ」
・・・・・・世間一般では歓迎されない経済状態ではあるものの、自衛隊の募集関係
     者にとっては非常に喜ばしい状態。
     一般に、経済状態と自衛官募集の困難度は反比例の関係にある。

普通科(ふつうか)
・・・・・・「1・民間語・フ」高等学校の課程区分。ほとんどの高校生はこの課程で学ぶと思われる。
              目的の決まらない人はとりあえずここへ!?
・・・・・・「2・職種・フ」陸上自衛隊の職種。軍隊流に言うところの「歩兵」。
・・・・・・「3・教育・フ」海上自衛隊術科学校の「海士課程」を指す言葉。昔、海士課程となる
             前を「普通科」と呼称していたので、その名残。ちなみに海曹課程は
             『高等科』と呼んでいた。

物干場(ぶっかんば)「施設・海軍伝来・フ」
・・・・・・そのまま読めば「ものほしば」。意としてはこれで正解。海上自衛隊では
     こう言った謎のコトバが多々存在する。

浮遊物(ふゆうぶつ)
・・・・・・1.「雑種・フ」海面に漂う雑多な漂流物。海草のくず塊や流木など大小あるが、
       大きな浮遊物は特に艦に損傷を与える物もあるので注意が要る。
・・・・・・2.「食物・フ」味噌汁の具。長期航海で生鮮品が減ると浮遊物も減ってくる。

フロメシ(ふろめし)「生活・フ」
・・・・・・陸上部隊の隊員の常識的とも言える課業終了後の日課の順序。
     通常、食堂と浴場が至近距離にあるため、まとめて済まそうと編み出した
     手段。

分隊長所定(ぶんたいちょうしょてい)「日課・フ」
・・・・・・予定が特に決まってないときに体裁よく日課らしい言い回しができる都合の
     よい言葉。いや、本当はそういう意味ではないけど。


防衛費削減(ぼうえいひさくげん)「外部・ホ」
・・・・・・選挙シーズンになると「防衛費の削減を実行し、社会福祉予算を増やしま
     しょう」と言った触れ込みで票の伸ばそうとするのは今や常識。
     しかし、社会福祉と国家の安全保障とは話の次元がまったく違うのに、
     いっしょくたにしてしまうあたり、日本の政治家(候補)の話術はおみごと。
     高齢化社会を迎えるにあたり社会福祉予算をネタにしているのも、国民の
     勘定を良く計算されていらっしゃる。

防舷物(ぼうげんぶつ)
・・・・・・1.「物品・ホ」艦艇が岸壁や僚艦に接岸する際や、補給やハイラインなど、
      近接しての行動時に、万が一接触しても艦艇に傷をつけないように、ぶら
      下げる緩衝材。ゴムやウレタンなどでできている。大小も様々。
・・・・・・2.「人物・隊内隠語・ホ」転じて、必要以上に太っている者を揶揄する隠語に。

・・・・・・3.「隊内隠語・ホ」長期間岸壁に停泊している艦船。
・・・・・・4.「隊内隠語・ホ」大型艦船の内側に小型艦船が係留される際、内側小型艦船を揶揄した呼び方。


帽振れ(ぼうふれ)
「慣習・海軍伝来・ホ」
・・・・・・卒業式や退艦行事・退職行事の際に互いに帽子を振って別れの挨拶とする
     習慣。艦艇部隊での帽振れでは喚声を上げたり声をかけるのが通例で、
     術科学校へ入校するために退艦した私の先輩はみんなから「もう帰ってくん
     なよ―」という淋しいおコトバをかけられていた。





ま 行

前支え(まえささえ)「教育・マ」
・・・・・・旧軍以来の伝統「鉄拳」「ビンタ」が禁止されるにいたり、それに代わって
     自分が手を汚すことなく与えられる懲罰手段として編み出された罰則。
     腕立て伏せの上げたままの状態。


豆鉄砲(まめでっぽう)「隊内隠語・マ」
・・・・・・使えない砲術士を揶揄した隠語。


水虫の薬(みずむしのくすり)「物品・ミ」
・・・・・・水虫罹患率日本一を誇る自衛隊が開発した強力水虫治療薬のこと。


緑のたぬき(みどりのたぬき)「徽章・隊内隠語・ミ」
・・・・・・勤続25年で授与される第27号防衛記念章の俗称。
     関連語:「赤いきつね」
(図)緑のたぬき(第27号防衛記念章)

霧中航行(むちゅうこうこう)「作業・ム」
・・・・・・濃霧などで視界が著しく悪い際に配置される警戒配備。これが出ると
     訓練どころではなくなる。
 図:霧中状態の海上。

主機(もとき)「設備・海軍伝来・モ」
・・・・・・そのまま読めば「しゅき」だが、海上自衛隊ではあえてこう読む。
     いわゆるフネのメイン・エンジンのこと。


元へ(もとへ)「号令詞・モ」
・・・・・・号令や示達を間違えたときに、それを訂正するための単語。
     一般社会では「もとい」と言われるが、自衛隊では訂正詞なので「元へ」。





や 行

用具収め(ようぐおさめ)「号令・ヨ」
・・・・・・1.「号令・ヨ」訓練や作業などが終わる際に、使用した用具や物品を片付けろ、
      と言う意味の号令。例:「戦闘用意、用具収め」。
・・・・・・2.「隊内用語・ヨ」それが転じていわゆる撤収するときの合言葉に。
      例:「酒がなくなったな。仕方ない、用具収めだな」

予定は未定にして決定に非ず
     (よていはみていにしてけっていにあらず)
「隊内隠語・ヨ」
・・・・・・命令・伝達が頻繁に入れ替わるときや約束を破った時に発する便利な逃げ口上。





ら 行

ラッタル(らったる)「艦内設備・ラ」
・・・・・・艦艇における甲板の上下間を往来するための階段状の梯子。
     非常に急な角度(平均20度)で設置されており、慣れないうちや部外の
     方は結構苦労させられる。
 図:護衛艦(はつゆき型)の後部ラッタル。

ラッパ(らっぱ)「用具・ラ」
・・・・・・自衛隊内において日課を告げる唯一の情報源。休みの日に中学校など
     の近くをとおってトランペットの音を聞こうものなら反射的に反応してしま
     うあたり、完全に職業病。
 図:護衛艦上でらっぱを吹奏する隊員。

陸さん(りくさん)「隊員・隊内隠語・海軍伝来・リ」
・・・・・・いわゆる陸上自衛隊のカタガタを揶揄的に表現した隠語。帝国海軍時代
     からお互いの仲が悪いのか、この言葉は未だに現存している。

両舷灯(りょうげんとう)
・・・・・・1.「設備・艦艇・リ」夜間、遠くからでも艦船の航海方向が分かるよう、両舷に
      備えることが義務付けられている灯火。ほとんどは張出甲板の前方下部にあり、
      右舷が緑色、左舷が赤色。
・・・・・・2.「隊内隠語・リ」これが転じて、永年勤続25年の「緑色」防衛記念章、永年勤続
       10年の時に与えられた「赤色」防衛記念章と並べて着けられるため「両舷灯
       点いた」と年寄り扱いされる。

64式小銃(ろくよんしきしょうじゅう)「装備・ロ」
・・・・・・世界一平和な軍用銃としてその名も高き銃。なんてったって、出来てから
     25年も経つというのに人に銃口が向けられたのは1回だけ。それも隊内
     でのくだらないいざこざの末の話。こう言ったあたり、いかに日本が平和
     な国かが良く分かる。
 図:64式7.62o小銃

ロスケ(ろすけ)「国家・隊内隠語・ロ」
・・・・・・冷戦時代に旧ソ連のことを指した隠語。掲載はヤバイか!?





わ 行


ワッチでーす(わっちでーす)「号令詞?・ワ」
・・・・・・主に、睡眠中の艦船乗組員を一発で起こすことができる魔法の呪文。
     耳元でささやくだけで不思議なほどにガバッと起きます。





アルファベット










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