2013.9.4 05:05(3/3ページ)

虎史上最遅!白仁田、プロ初先発初勝利!!

ウイニングボールを掲げる白仁田

ウイニングボールを掲げる白仁田【拡大】

 「朝起きてから常に野球のことを考えよう」。琵琶湖に好きなバス釣りに行っても「スナップが大事」と釣り竿を投げる感覚をボールをリリースする瞬間のヒントにした。今年の年明けも帰省したのは2日間のみ。普段は家族に多くを語らない男が「今年は頑張るしかないから」。休む間もなく、自主トレへ。努力は裏切らなかった。

 ヒーローインタビューで感謝を示したのは「両親」。今月1日は母・一江さんの55歳の誕生日だ。過去には「生んでくれてありがとう」と気持ちを伝え、バッグやピアスを贈ってきたが、初めてウイニングボールを渡せる日がきた。

 和田監督は「もう一回見たいなというものをみせてくれた」。4日に登録抹消される見通しも、再びチャンスは巡ってきそうだ。打線も右腕を助け、今季7度目の2けた得点と爆発。波に乗った。

 「(初勝利も)申し訳ない気持ち。うれしいというのはないですね」

 ドラ1は藤浪だけじゃない-。和田虎の未完の大器が覚醒の兆しだ。(小松 真也)

球児は4年目で

 ◎…白仁田が阪神のドラフト1位入団投手(希望枠、自由枠含む)では最も遅い6年目でのプロ初勝利。これまでは鶴直人(06年高校生D、10年に初勝利)の5年目が最遅だった。4年目に藤川球児(99年)、山村宏樹(95年)、石床幹雄(66年)、3年目に岩田稔(06年大学・社会人)、江草仁貴(03年)、中込伸(89年)がいる。ちなみにプロ最遅記録は西清孝(85年ドラフト外で南海入りし、97年横浜時に初勝利)の13年目。

仁田 寛和(しらにた・ひろかず)

★ 生まれとサイズ 1985(昭和60)年10月2日、福岡県生まれ、27歳。1メートル89、85キロ。右投げ右打ち
★ 球歴 糸島高から福岡大を経て、2008年大・社D1巡目で阪神入団。11年10月23日の広島戦(マツダ)で中継ぎとしてプロ初登板。13年9月3日のDeNA戦(横浜)でプロ初先発初勝利を挙げた。今季年俸700万円。背番号「64」
★ 球種 ストレート、カーブ、スライダー、フォーク、カットボール
★ 黄金ルーキーと同じ悩み!? シュート回転を修正するため「(筒井)カズさんに腕の振りの話をしてもらいました」。課題を克服するため、取り組んだのは脱力投法。D1位・藤浪晋太郎投手と同様の内容だった。長身右腕同士、通じるものがある!?
★ 右腕も卒業 糸島高の同級生の篠田麻里子が7月にAKBを卒業。「ビックリしましたね」。プロ初勝利を挙げ、自身も鳴尾浜生活から“卒業”だ

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(紙面から)