4回 本塁打を放つ阪神・上本=横浜スタジアム(撮影・鳥越瑞絵)【拡大】
苦悩の日々だった。昨季は62試合に出場し、終盤は最終戦まで1番打者を務めた。だが、今季はメジャー帰りの西岡が加入。負けじと猛アピールを続けていたが、2月26日のWBC日本代表との強化試合(京セラD)で飛球を追いかけた際、伊藤隼と激突し、「左足前距腓じん帯損傷」で開幕は絶望となった。
以降、2軍でリハビリを積み、内野ノックやベースランニングにステップを踏んだ6月中旬だ。再度、痛みを訴えた。8割までは状態が上がってきているのは確かだが、なかなか10割までとはいかない。チームスタッフと話し合った。
「自分は足が商売道具。違和感を捨てたい」
メスを入れれば、シーズンを棒に振る可能性も頭によぎる。そして決断-。同月24日に奈良県内の病院で「左足関節内クリーニング術」に踏み切った。
「元気な姿を見せることが恩返しになると思う」
パンチのあるプレーでヒーローとなったが、クライマックスシリーズ(CS)など10月に訪れる今季の集大成の試合では、違和感のなくなった足で和田野球の重要な戦力となってみせる。
(紙面から)