産経新聞 9月4日(水)7時55分配信
■無線機を搭載、死角でも位置把握
マツダは3日、東京大学や広島電鉄などと協力し、路面電車と自動車にセンサーと無線機を組み合わせた安全運転の支援装置をそれぞれ搭載し、出合い頭の衝突事故を防ぐ公道実証実験を始めると発表した。路面電車を対象としたこうした実証実験は世界で初めて。トヨタ自動車もIT(情報技術)を活用して渋滞を減らす実証実験を海外で行っており、ITがクルマの安全に果たす役割が大きくなっている。
マツダなどが今月から来年3月まで広島市内で行う実証実験は、センサーによる危険感知と無線による情報交換によって、路面電車の死角になっているようなケースでも、自動車の位置や走る方向などを把握し衝突を防ぐ仕組み。
マツダが実証車両に用意した主力車「アテンザ」は、事故のリスクを最小限に抑える先進安全技術を採用していたが、さらにレーダーやカメラの数を増やすことで危機検知の精度を上げた。同社では「事故のない社会を目指している。今回の実験は安全技術を進化させていくうえで大切な要素となる」(車両システム開発部の内藤久佳部長)と説明した。
一方、自動車大手では、トヨタ自動車も7月から、北京航空航天大学などと共同で渋滞緩和に向けた実証実験を開始。スマートフォン(高機能携帯電話)やカーナビ、自動料金収受システム(ETC)を組み合わせた新型の端末を使い、経路別の所要時間や高速料金の割引情報などを伝える。
最終更新:9月4日(水)8時17分