Updated: Tokyo  2013/09/04 08:10  |  New York  2013/09/03 19:10  |  London  2013/09/04 00:10
 

9月3日の海外株式・債券・為替・商品市場

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  (ブルームバーグ):欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次の通り。

◎NY外為:ドルが7週ぶり高水準-製造業指数受け緩和縮小の観測

ニューヨーク外国為替市場ではドルが7週間ぶり高水準に上昇。米供給管理協会(ISM)が発表した8月の製造業総合景況指数が2011年6月以来の水準に上昇したことで、金融当局が今月債券購入の縮小開始を決定するとの観測が強まった。

ドルは対円では1カ月ぶり高値を付けた。米国によるシリアへの軍事介入が見込まれる中、イスラエルによるミサイル試射を受け中東での衝突が激しさを増すとの懸念が強まり、安全需要が高まった。オーストラリア・ドルは上昇。オーストラリア準備銀行(中央銀行)はこの日の政策決定会合で政策金利を据え置いた。インドネシア・ルピアは約4年ぶり安値に下げた。

みずほ銀行の為替ストラテジスト、シレーン・ハラーリ氏(ニューヨーク在勤)は電話取材で、「ISM製造業景況指数は予想よりもずっと良かった。製造業の分野は拡大が続いている」とした上で、「今週は重要な経済指標がまだ多くある。雇用統計を控えて市場は様子見モードだ」と加えた。

ニューヨーク時間午後5時現在、主要10通貨に対するドル相場を反映するブルームバーグ米ドル指数 は前日比0.1%上昇の1036.58。一時7月16日以来の高水準を付けた。

ドルは対円で0.2%値上がりし1ドル=99円57銭。円はユーロに対し0.1%上昇の1ユーロ=131円14銭。ドルは対ユーロで0.2%高の1ユーロ=1.3170ドル。一時7月22日以来の高値を付けた。

ポンド、豪ドル

ポンドはユーロに対し15週間ぶり高値に上昇。英建設業活動の指数上昇が手掛かりとなった。ポンドは0.3%上昇の1ユーロ=84.65ペンス。一時5月21日以来の高値を付けた。対ドルでは0.1%上昇。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチのチーフ金利・為替テクニカルストラテジスト、マクニール・カリー氏は「ユーロ買い・ポンド売り」を勧めた。ユーロが反転して1ユーロ=88.16ペンスに上昇する可能性があるためと説明した。

豪ドルは上昇。豪中銀はこの日の政策決定会合で政策金利を据え置くと同時に、追加利下げ余地に言及しなかった。ブルームバーグが調査したエコノミスト32人全員が据え置きを予想していた。

豪ドルは米ドルに対し1%高の1豪ドル=0.9063米ドル。一時ほぼ2週間ぶりの高値を付けた。対円では1.2%高の90円24銭。一時90円51銭と7月29日以来の高値に上昇した。

ルピアは09年以降で初めて1ドル=11000ルピアの水準を超えて下落。過去最大規模の経常赤字の抑制に苦慮するとの懸念が背景にある。

ISM製造業景況指数、シリア情勢

ISMが発表した8月の製造業総合景況指数 は55.7と、前月の55.4から上昇。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は54だった。また米商務省が発表した7月の米建設支出は季節調整済みの前年同月比で5.2%増加した。

オバマ大統領はシリアへの軍事介入について議会の承認獲得を目指している。ジョン・マケイン、リンジー・グラム両共和党上院議員は大統領との会談後、議会は対シリア武力行使を支持すべきだと述べるとともに、大統領は自身の戦略について説明不足だと指摘した。

ラボバンク・インターナショナルの為替ストラテジスト、クリスチャン・ローレンス氏は「ドルの上昇にはシリア情勢をめぐる懸念と米緩和縮小期待が影響している」とし、「当社は、量的緩和の縮小という背景からドルに対してなお構造的に強気だ」と述べた。

原題:Dollar Rises to 7-Week High on Fed Tapering Bet; AussieAdvances(抜粋)

◎米国株:上昇、シリア緊迫を懸念も良好な経済統計を材料視

3日の米国株 は上昇。対シリア軍事行動への懸念が強まったが、市場では予想よりも良好な経済統計が材料視された。

テレビネットワークのCBS は上昇。同社の番組をケーブルテレビのタイムワーナー・ケーブル(TWC)で再び視聴できるようになったことが好感された。一方、マイクロソフトは下落。54億4000万ユーロを支払いフィンランドのノキアの携帯電話機事業を買収し、同社の特許のライセンス供与を受けることで合意したことが材料となった。ベライゾン・コミュニケーションズは2.9%下落。同社は米携帯合弁会社ベライゾン・ワイヤレスの持ち分45%を、合弁相手の英ボーダフォン・グループから約1300億ドルで買い取ることで合意した。

S&P500種株価指数は前営業日比0.4%高の1639.77。ダウ工業株30種平均は23.65ドル(0.2%)上げて14833.96ドル。2日はレーバーデーの祝日で休場だった。

INGのUSインベストメント・マネジメントのバイスプレジデント兼市場ストラテジストのカリン・カバノー氏は「景気を見ると状況は良くなりつつある」と述べ、「中東にかなり緊張があることは理解している。ただ状況が落ち着くのを待ってから市場に参加しようとすると、永遠に待つことになる。ファンダメンタルズ(基礎的諸条件)を見て、そのファンダメンタルズが改善しているのであればそれが方向性のシグナルだ」と続けた。

予想より良好なISM統計

米供給管理協会(ISM)が発表した8月の製造業総合景況指数 は55.7と、前月の55.4から上昇し、2011年6月以来の水準となった。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は54。同指数で50は活動の拡大と縮小の境目を示す。また7月の米建設支出は約4年ぶりの高水準となった。

この日は、ベイナー下院議長とキャンター共和党下院院内総務がオバマ大統領が呼びかけるシリアへの軍事行動に支持を表明したことを受けて、米国株は上げ幅を削った場面もあった。

S&P500種産業別10指数によると、金融株や消費者サービス株、ヘルスケア関連株が特に上昇した。一方、公益事業株と通信サービス株は下落した。

CBSが上昇

CBSは4.7%上昇。TWCと契約しているニューヨークとロサンゼルス、ダラスの利用者は1カ月ぶりにCBSの番組を視聴できるようになる。CBSが放映する米ナショナル・フットボールリーグ(NFL)のレギュラーシーズン開幕を前に両社が歩み寄った。

事情に詳しい関係者によれば、TWCはCBSへの支払い額を大幅に引き上げることで合意した。

シティグループ は2.2%上昇。米ウォールストリート・ジャーナル紙は匿名の関係者を引用して、シティグループが過去1カ月間でプライベートエクイティ(未公開株、PE)やヘッジファンドの資産を60億ドル以上売却したと報じた。

アップル は0.3%上昇。同社は10日にイベントを開催すると明らかにした。スマートフォン(多機能携帯電話)「iPhone(アイフォーン)」新機種の発表が予想されている。

マイクロソフトは4.6%下落。発表資料によると、同社はノキアのデバイス・アンド・サービス事業買収に37億9000万ユーロ、特許のライセンス取得に16億5000万ユーロを支払う。

シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX)は2.4%低下の16.61。VIXは8月に26%上昇した。

原題:U.S. Stocks Advance as Economic Data Overshadow SyriaConcerns(抜粋)

◎米国債:下落、緩和縮小観測で-下院議長のシリア発言で下げ渋り

米国債相場は下落。8月の米製造業景況指数が市場予想を上回り、金融当局が早期に金融緩和の規模縮小を発表するとの見方が強まった。

米国によるシリア攻撃が目前に迫っているとの見方が後退し、逃避需要が弱まったことも売り材料。労働省が6日に発表する8月の雇用統計では雇用拡大が予想されている。17-18日には連邦公開市場委員会(FOMC)会合が開催される。

ソシエテ・ジェネラルのトレーダー、ショーン・マーフィー氏(ニューヨーク在勤)は「予想を上回る経済指標とシリア情勢の緊迫緩和で、米国債はほぼ一本調子で下げた」と指摘。「週末の雇用統計への関心がかなり高い」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回り は前週末比8ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.86%。一時は13bp上昇の2.91%と、8月1日以来の大幅な上昇となり、同月23日以来の高水準を付けた。同年債(表面利率2.5%、2023年8月償還)価格は20/32下げて96 29/32。

2年債利回り は一時3bp上昇の0.43%と、2011年7月以来の高水準となった。30年債利回り は9bp上昇の3.79%。一時は8月23日以来の高水準となる3.83%に上昇した。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの米国債指数によると、年初来のリターンはマイナス4.7%と、このまま終了すれば年間としては同指数の集計が開始された1978年以降で最大の下げとなる。

ISM指数

米供給管理協会(ISM )が発表した8月の製造業総合景況指数は55.7と、前月の55.4から上昇し、2011年6月以来の水準となった。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は54。同指数で50は活動の拡大と縮小の境目を示す。

ノバスコシア銀行の米国債トレーディング責任者、チャールズ・コミスキー氏(ニューヨーク在勤)は「米金融当局は債券購入を縮小し始めるとの見方に市場は落ち着きつつある。経済指標は非常に良好だ」と語った。

6日発表の8月雇用統計では非農業部門雇用者数は18万人増が予想されている。7月は16万2000人増だった。

ロシアのミサイル追跡システムが地中海中部で弾道ロケット2発の発射を検知したとの国営ロシア通信(RIA)の報道で、米国債は下げ幅を縮小する場面もあった。イスラエルはその後、これが同国のミサイル防衛システムをテストするための米国との共同試験だったと発表した。

議会承認

オバマ大統領は8月31日、シリアのアサド政権による化学兵器使用への報復として同国攻撃の承認を議会に求める意向を表明した。

CRTキャピタル・グループのストラテジスト、デービッド・エーダー、イアン・リンジェン両氏は顧客向けリポートで、「週末に何も起こらなかったことに加え、シリアへの対応はいかなるものでも議会の複雑な関与をもたらすという事実は、当然のごとくその対応を遅らせ、政治の影響を受ける可能性を高くする」と指摘した。

ベイナー下院議長(共和、オハイオ州)がシリアへの軍事行動で大統領を支持する意向を示し、株価が伸び悩むと、国債相場は下げ幅を縮小した。

オバマ大統領がホワイトハウスに議会指導者や安全保障関連委員会の有力議員を招いて実施した会合後、ベイナー議長は「この種の武器の使用に対しては対応する必要があり、米国だけがその能力を有している」と述べた。それでも共和党内の保守派の草の根運動「ティーパーティー」メンバーや民主党左派はシリアへの武力行使に反対している。

原題:Treasuries Slide as Factory Gains Spur Fed TaperingSpeculation(抜粋)

◎NY金:上昇、逃避買い-下院議長が大統領の対シリア行動支持

ニューヨーク金先物相場は1週間ぶりの上昇。オバマ米大統領がシリアへの軍事攻撃に関して議会指導者の支持を得たことを背景に、逃避資産としての買いが活発になった。

ベイナー下院議長はこの日「オバマ大統領が要請した対シリア行動を支持する」と発言。オバマ政権はアサド政権が先月にシリア国民に対しサリンガスを使用したとみており、これに対する軍事力の行使を認めるよう議会に働き掛けている。

ロジック・アドバイザーズのパートナー、ビル・オニール氏は電話インタビューで、「不透明感が多い」と指摘。「安全逃避先としての金の魅力が見直されている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物12月限は前週末比1.1%高の1オンス=1412ドルで終了。8月27日以来の上昇となった。

原題:Gold Rises on Haven Demand After Boehner Backs Obama onSyria(抜粋)

◎NY原油:上昇、シリア攻撃へ米大統領が議会に説得工作

ニューヨーク原油先物相場は上昇。オバマ米大統領が議会に求めたシリア攻撃が承認されれば、中東からの原油供給が滞りかねないとの懸念が強まった。

ベイナー米下院議長は記者団に対し、オバマ大統領が承認を求めたシリア攻撃を支持すると表明。大統領は8月31日に攻撃決定の前に議会に承認を求める意向を明らかにして以来、議会説得に力を入れている。イスラエルが米国と共同で地中海でミサイル発射テストを実施したことから、原油は朝方から堅調に推移していた。

エネルギー関連の商品に重点を置くヘッジファンド、アゲイン・キャピタル(ニューヨーク)のパートナー、ジョン・キルダフ氏は「シリアに対する軍事行動がじわじわと迫っているようであり、市場はこれを織り込みつつある」と指摘。「この先にはニュース主導のリスクがある。シリアの状況が解決するまで市場がどのように反応するかは、けさのイスラエルのミサイル実験が良い例だ」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物10月限は前営業日比89セント(0.83%)高の1バレル=108.54ドルで終了。前日はレーバーデーの祝日で、通常取引はなかった。

原題:Crude Advances as Obama Seeks Support for SyriaIntervention(抜粋)

◎欧州株:下落、米下院議長の対シリア攻撃支持で-ボーダフォン安い

3日の欧州株式相場は下落。米製造業指標が予想を上回ったものの、オバマ大統領が要請した対シリア行動に対し、ベイナー米下院議長が支持を表明したことが売りを誘った。

英携帯電話サービスのボーダフォン・グループは5%安。米携帯合弁会社の持ち株を1300億ドルで売却する合意案の詳細に株主の注目が集まった。一方、ノキアは34%の大幅高。米マイクロソフトがノキアの携帯電話事業を54億4000万ユーロで買収する合意が好感された。スイスの免税店運営会社、デューフライは3.4%上昇。ブラジルでの契約獲得が買い材料。

ストックス欧州600指数 は前日比0.4%安の301.78で終了。一時は0.7%安となった。イスラエルが地中海でミサイル防衛システムの試験を米国と共同で行ったことが背景にある。

ミラボー・セキュリティーズ(ジュネーブ)のバイスプレジデント、ジョン・プラサード氏は「好調な米経済指標で相場は大きく上げるべきだが、別の要因から投資家はより慎重になっている」と述べ、「午前中に見られたように、シリアをめぐって市場は引き続き慎重かつ不安定となっている」と続けた。

米供給管理協会(ISM)が発表した8月の製造業総合景況指数は55.7と、前月の55.4から上昇した。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は54。同指数で50は活動の拡大と縮小の境目を示す。

3日の西欧市場では18カ国中11カ国で主要株価指数が下落。仏CAC40指数と独DAX指数は0.8%それぞれ下げ、英FTSE100指数は0.6%安となった。

原題:European Stocks Decline as Boehner GivesSupport to Syria Action(抜粋)

◎欧州債:ドイツ債は3日続落、米緩和策縮小との観測-英国債も下落

3日の欧州債市場ではドイツ10年債が3営業日続落。今月17、18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で緩和策縮小が決まるとの観測が浮上し、域内で最も安全とされるドイツ国債の需要が後退した。

ドイツ10年債利回り は2012年3月以来の高水準に接近。米供給管理協会(ISM)が発表した8月の米製造業総合景況指数が予想に反して上昇したことが手掛かり。債券購入プログラムの縮小による影響を十分吸収できるほど米景気が改善しているとの見方から米国債は下落し、ドイツ債もこれに追随した。週内に入札を控えたスペインの国債も下落。イタリア国債は一時の上げを消す展開となった。

コメルツ銀行の金利ストラテジスト、ライナー・ギュンターマン氏(フランクフルト在勤)は「利回りはじりじり上げている」とし、「ISM製造業景況指数が要因で、早ければ次回FOMCで緩和策が縮小される可能性がある。週内の入札を控えてスペイン国債が下げたのは驚きではない」と語った。

ロンドン時間午後4時59分現在、ドイツ10年債利回りは前日比4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し1.94%。先月23日には1.98%と、12年3月22日以来の最高に達した。同国債(表面利率1.5%、2023年5月償還)価格はこの日、0.31下げ96.14となった。

スペイン10年債利回りは5bp上げ4.47%。5日の入札で18年と23年に償還となる国債最大40億ユーロが発行される。

英国債相場は下落。10年債利回りは5bp上昇し2.89%。11年8月1日以来の高水準 となる2.90%まで上げる場面もあった。同国債(表面利率2.25%、2023年9月償還)価格は0.385下げ94.46。

原題:German Bonds Decline for Third Day Amid FedQE Taper Speculation(抜粋)Pound Rises Fifth Day Versus Euro as U.K.Construction Increases(抜粋)

更新日時: 2013/09/04 06:52 JST

 
 
 
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