Updated: Tokyo  2013/09/04 03:40  |  New York  2013/09/03 14:40  |  London  2013/09/03 19:40
 

マイクロソフト、ノキアの携帯事業買収で合意-約7140億円

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  9月3日(ブルームバーグ):米マイクロソフト はフィンランドのノキア の携帯電話機事業を買収し、同社の特許のライセンス供与を受けることで合意した。マイクロソフトは54億4000万ユーロ(約7130億円)を支払う。ノキアはかつて圧倒的な市場シェアを握っていたビジネスから撤退してネットワーク機器に注力し、マイクロソフトはハードウエア分野への一層の事業拡大で成長を促進する。今回の合意を受けて、ノキア株は急伸。

両社の3日に発表資料によると、マイクロソフトはノキアのデバイス・アンド・サービス事業買収に37億9000万ユーロ、特許のライセンス取得に16億5000万ユーロを支払う。ノキアのスティーブン・エロップ最高経営責任者(CEO)は同職から退き、マイクロソフトに復帰する。

3日のヘルシンキ市場でノキア株は一時、前日比48%高となった。現地時間午前10時5分現在(日本時間午後4時5分)現在は45%高の4.30ユーロで取引されている。これに基づく時価総額は162億ユーロとなる。

マイクロソフトは同社の基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」を搭載したパソコンから携帯機器に消費者がシフトしている状況への対応を迫られている。ノキアはアップル製品やグーグル のOS「アンドロイド」を搭載した携帯電話に市場シェアを奪われ需要が減少し、キャッシュフローの課題を抱えている。

シドニーの通信コンサルタント、ポール・バディ氏は「ノキアとマイクロソフトは共にスマートフォン(多機能携帯電話)分野で好機を逃した。そこで取り返すのは極めて困難だ」と指摘。「問題は弱い企業2社が統合して競争力の高い新たな企業になるかどうかだが、それは疑わしい」と述べた。

ノキアは7月に、4-6月(第2四半期)の携帯電話販売台数が27%減少したと発表。9四半期で50億ユーロを超える損失を出している。

エロップCEOは、1月には配当を停止して財務立て直しを図っていた。

改革の瞬間

マイクロソフトのスティーブ・バルマーCEOとエロップ氏は共同でブログに投稿し、「今日は改革の瞬間を記す日だ」とコメント。「ノキアのデバイスとサービスを推進するためのマイクロソフトの深い関与と資源によって、ウィンドウズのエコシステムの可能性を最大限に実現できるようになり、家庭や職場、その間のあらゆる場所で最も感動的な経験を提供できる」と説明した。

発表資料によると、今回の取引に伴い、ノキアの従業員約3万2000人がマイクロソフトに移籍する。ノキアのデバイス・アンド・サービス事業は同社の2012年の純売上高の約50%相当を生み出していた。

バルマーCEOは発表文で、「将来に向けた大胆な一歩だ。両社の従業員と株主、消費者がお互いに恩恵を受ける措置だ」と述べ、「電話事業におけるマイクロソフトのシェアと利益を加速させるだろう」とした。

ノキアのリスト・シラスマ会長は発表文で、「株主価値を最大化する方法をさまざまな選択肢の検討も含めて徹底的に評価した結果、この取引がノキアと株主にとって最良の進路だと考えた」と説明した。同会長はノキアの暫定CEOに就任する。

原題:Microsoft to Buy Nokia’s Handset Business for $7.2 Billion(3)(抜粋)Microsoft to Buy Nokia’s Devices Unit for 5.44 Billion Euros (1)(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:シドニー David Fickling dfickling@bloomberg.net;ヘルシンキ Ville Heiskanen vheiskanen@bloomberg.net;シアトル Dina Bass dbass2@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Kenneth Wong kwong11@bloomberg.net;Pui-Wing Tam ptam13@bloomberg.net

更新日時: 2013/09/03 17:06 JST

 
 
 
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