風知草:フクイチの社員に聞く=山田孝男
毎日新聞 2013年09月02日 東京朝刊
汚染水を甘く見、間に合わせの貯水タンクとアルプスを過信し、誤算続きで作業員がヘトヘトになっている福島と似ている。
福島をガダルカナルにするわけにはいかない。東電に代わって前面に出る国の姿勢は人事と予算に表れている。政府は先月27日、経産省の糟谷(かすたに)敏秀・総括審議官(52)を「汚染水特別対策監」に任命した。予算もつける。これから先は、安全より低価格という選択はなくなると信じたい。
福島の作業員たちの東京不信をぬぐい、空前の海洋核汚染を食い止めなければならない。国会審議を活用して内外へ発信を強め、失敗続きで傷ついた日本の国際的信用を取り戻さなければならない。(毎週月曜日に掲載)