大阪府警に誤認逮捕を連発した責任を問うと、広報課がこう回答した。
—府警はこの事態をどう考えているのか。
「事態の重要性を受けとめ、指導を徹底したい」
—4件の誤認逮捕が起きたそれぞれの原因は?
「いずれも事実認定に確認不足があったと考えている」
—PCなりすまし事件の教訓が生かされていない。
「ご指摘の点を踏まえ、今後、適正捜査に配意したい」
—誤認逮捕の被害者にどうお詫びするのか。
「関係者には謝罪した」
だが、Aさんの妻が明かす次のエピソードを聞くにつけ、その謝罪に真心があるとも思えない。Aさんが釈放された日、北堺署に迎えに行くと、Aさんの取調官にバッタリ出くわした。
「主人は無罪になりました」
妻が怒りを込めてそう伝えると、取調官は笑いながらこう答えたという。
「そうですか。私は聞いていません」
冤罪は誰にでも起こりうることを、Aさんの事件は証明している。たとえ容疑は晴れても、失われた85日間は二度と戻らないし、逮捕された苦しみや屈辱が消えることもない。
「週刊現代」2013年9月7日号より
- 犯人をデッチ上げるのは簡単です 大阪府警の「誤認逮捕」被害者男性の告白 (2013.09.03)
- 3紙で18年間働いた日本人記者が明かす 米国の新聞はなぜ瀕死の状態に陥ったのか (2013.09.03)
- 日本を「捨てる会社」「捨てない会社」 【第2部】社員はコスト?ユニクロ・柳井社長は日本を捨ててどこへ行くのか (2013.09.03)
- 日本を「捨てる会社」「捨てない会社」【第1部】わが社は日本の会社です 世界一のトヨタはなぜ日本に残るのか (2013.09.02)
- 天然ガスの世界市場が形成されない背景 (2013.08.30)
-
経済の死角 犯人をデッチ上げるのは簡単です 大阪府警の「誤認逮捕」被害者男性の告白 (2013.09.03)
-
経済の死角3紙で18年間働いた日本人記者が明かす 米国の新聞はなぜ瀕死の状態に陥ったのか (2013.09.03)
-
町田徹「ニュースの深層」泥沼化する汚染水問題に射す唯一の光明 「前に出る」方針を政府は加速せよ (2013.09.03)