犯人をデッチ上げるのは簡単です 大阪府警の「誤認逮捕」被害者男性の告白

2013年09月03日(火) 週刊現代

週刊現代経済の死角

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 大阪府警に誤認逮捕を連発した責任を問うと、広報課がこう回答した。

—府警はこの事態をどう考えているのか。

「事態の重要性を受けとめ、指導を徹底したい」

—4件の誤認逮捕が起きたそれぞれの原因は?

「いずれも事実認定に確認不足があったと考えている」

—PCなりすまし事件の教訓が生かされていない。

「ご指摘の点を踏まえ、今後、適正捜査に配意したい」

—誤認逮捕の被害者にどうお詫びするのか。

「関係者には謝罪した」

 だが、Aさんの妻が明かす次のエピソードを聞くにつけ、その謝罪に真心があるとも思えない。Aさんが釈放された日、北堺署に迎えに行くと、Aさんの取調官にバッタリ出くわした。

「主人は無罪になりました」

 妻が怒りを込めてそう伝えると、取調官は笑いながらこう答えたという。

「そうですか。私は聞いていません」

 冤罪は誰にでも起こりうることを、Aさんの事件は証明している。たとえ容疑は晴れても、失われた85日間は二度と戻らないし、逮捕された苦しみや屈辱が消えることもない。

「週刊現代」2013年9月7日号より

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