いよいよ7月27日に開幕するロンドン五輪。マラソンのカンボジア代表としてロンドン五輪に出場する夢が潰えた猫ひろし(34)の騒動も記憶に新しい。
しかし、こうした騒動は、何も日本だけに限ったことではない。
ロンドン五輪イギリス代表の女子ハードル選手、ティファニー・ポーター(24)に英大衆紙記者は、「イギリス国歌を歌ってくれ」との質問を浴びせた。
それもこれも、彼女がアメリカ出身でナイジェリア人の父とイギリス人の母をもち、アメリカで選手活動をしていた帰化選手だからだ。記者の嫌味な質問に、「もちろん国歌は知っているわ。だけど私は歌唱力で代表になったわけではない」と切り返して難を逃れた。
なぜこんな扱いをされているのかというと、イギリス代表には猫ひろしのように五輪前に帰化した“にわかイギリス人”が多すぎるからだ。
女子三段跳でメダル候補に挙げられているヤミレ・アルダマは、もともとキューバ出身だが、アテネ五輪にスーダン国籍で出場し、2011年にイギリス国籍を取得してロンドン五輪にも出場する。
サッカー発祥の国の人々は、ボールを足で扱うのには長けているが手で扱う球技は苦手なようで、ハンドボールの女子チームでは14人中なんと8人、男子では14人中6人がフランスやスウェーデンなどからの帰化選手。バスケットやバレーボールのチームにもアメリカやブラジルの出身者がごろごろいる。
イギリス内では「彼らが金メダルを取っても嬉しくない」と風当たりが強く、「プラスチック・ブリッツ(えせイギリス人)」という言葉まで生まれているという。
※週刊ポスト2012年8月3日号