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【2011.2.21】
この日はノア栃木大会。
吉川から足利の会場まで運転。
SKとNは事務所の方の運転で、遅れて会場入り。
いつも他団体の会場では、僕一人で売店の準備をしないといけないので、先輩よりも先に練習し早めに切り上げて売店を作りに行くことになっています。

いつものように練習し、そして売店の準備をしているとSKたちが会場入り。
事務所の方とも合流し一緒に準備します。
そうしていると、事務所の方の携帯電話にSKから「西川、控室に来い」と入りました。
急いでSKの元へ行くと「ちょっと来い」と言われ階段の踊り場へ連れて行かれました。
SKは周りをキョロキョロ見渡し、人がいないのを確認すると、思いっきり殴りかかってきました。
髪を鷲掴みにされ、コンクリートの壁に頭を打ち付けられました。
頭が一瞬真っ白になり倒れると「立てコラッ!」と言われ立ち上がりました。
今度は頬を3発張り手、腹に蹴りを1発入れられ、襟元を掴まれ色々怒鳴り散らされ終わりました。

なぜ喰らわされたのか分かりません。
ちょうどこの階段の下が売店だったので、事務所の方やノアのレフェリーの方にも聞こえていたそうです。
「大丈夫?」と声をかけて貰いました。

そして、試合がある先輩たちの元へ行き、練習を再開することになりました。
この時、喰らわされたことを先輩たちに伝えています。
すると、SKがアップしに会場に来ました。
しばらくして、腹筋をしている最中に、SKが先輩の背中にサッカーボールキックをバチンと入れました。
「ちゃんとやれ!」
僕の方を見て「西川、お前もだぞ!」
と言われました。
試合前で真面目にやっていたので皆「ん?」となりました。
ノアの選手の方たちも唖然としていました。

セコンド中はずっと頭が痛く、その後二週間くらい痛みがありました。
帰りはSKとNの乗って来た車に乗せられ、ずっと説教。
いつもこうなのですが、何か嫌なことがあったのか知りませんが、その日の機嫌で八つ当たりされたらたまったもんじゃありません。

夜中、道場に着くと社長から選手全員来るように言われて、自宅に向かいました。
「今日、何で西やんが殴られたかわかるか?」
「ここに白いマグカップがあるだろ?でもな、先輩が黒って言えば黒だし、黄色と言えば黄色だぞ。」
「先輩の言うことは絶対の世界だから、先輩に逆らうようなことはするなよ」
と言われました。
道場までの帰りの車中は「これじゃあヤ○ザの世界と一緒だよな」となりました。
確かにファミリー層に向けた商売をやっている人間が、この考え方は不味いんじゃないかなと僕も思ってしまいました。

この日は、信頼を失った日でした。

これまで沢山の理不尽を超える理不尽が幾度となくありましたが、ブログに書けるレベルの内容はこんな感じの話ばかりです。
柔道やレスリングでかなり厳しい練習を経験してきましたけど、それとは違うというか種類が違うというか。
格闘技関係の皆も全員、この現状に悲しんでいます。
僕だけが被害者ではなく全員が被害者。

その後のある日の練習後、マサさんにファミレスに連れて行って貰った時に言われました。
「SK、アイツは病気か?」
「レスリングのYもいい奴だったのに…。」
「手出すからみんなアイツから離れちゃうんだよな!」
「この会社変だよ、やっぱり何かあるよ」
「ニシは大丈夫か?」と。
このことは、唯一慕っていた先輩にだけ、しゃべりました。

ここで、僕らがやられたきたのは、本当に汚いやり方で人として信用を失うものを日常茶飯事的に受けて来ました。
怒りではなく、非常に残念で、悲しい気持ちで皆います。
こんな人たちが世間では良い人になっているので、選手・スタッフのみんなとは壁があり、納得がいかないのです。

プロレスという特殊で狭い世界でやっていると思うかも知れませんが、その狭いところに拘りを持って、命掛けで真剣に僕らはやっています。
だったら、プロレスで見返してやれと言う人もいると思いますが、練習生や早いうちにそういうことをされたらたまったもんじゃないので、早い段階でこういうことは言っておかないと駄目だと思います。
被害者が出てからでは遅いのです。

皆が辞めて行く本当の理由、わかってきたかと思います。
真実を語ったが故に、僕は嫌われものになったのかも知れません。

僕はプロレスが大好きです。
だから、プロレスの未来の為にも、二度とこういうプロレスラーが誕生して欲しくないという願いから、今回こうして伝えるために書いています。

日本中がひっくり返るくらい“決定的な出来事”もありますが、それは可哀想なので書かないで胸に仕舞っておこうと思います。

ここで、大学時代学んだスポーツ心理学から1つ良いのを書いておきます。

『ミラー現象』

自分が優しく相手に接すれば、相手も優しくしてくれます。
自分が怒りをぶつけたら、相手も怒りで返してきます。
自分の出方次第で、他人の反応はいくらでも変化するもの。
自分が変われば他人も変わります。


そして最後にもう1つ。

マサさんが僕に教えてくれた大事なこと。

『プロレスとは信頼関係である』

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