毎日新聞 9月3日(火)19時49分配信
【ロンドン小倉孝保】英政府が昨年、英企業に対し、化学兵器の原料となる化学物質2種類をシリアへ輸出する許可を出していたことが分かった。欧州連合(EU)の対シリア制裁で結果的に輸出されなかったが、既に内戦が激化していたシリアへの許可に国内で批判が出ている。
英紙インディペンデントが2日、報じた。それによると、英政府は昨年1月、英企業にフッ化カリウムとフッ化ナトリウムの輸出許可を出した。これらの化学品は、サリンなど化学兵器の原料ともなる。その後、EUがシリアへの輸出を規制したため、企業は輸出できなかった。
野党労働党の「影の内閣」で産業相を務めるウムンナ下院議員は同紙に、「当時、すでにアサド政権の市民弾圧が問題になっていた。どうして化学兵器に使える物質の輸出を政府が許可したのか、完全な説明が必要だ」と述べた。企業側やシリアの輸入業者は、民生品用だったと主張しているという。
シリアでの反政府運動は2011年3月に始まり、その後、政府軍と反政府武装勢力との間で内戦になった。反政府運動前からシリアには化学兵器の保有疑惑があった。
最終更新:9月3日(火)19時49分
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