福島離れ避難生活 6割がPTSDか8月29日 21時20分
東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故から2年以上たっても、福島県を離れて避難生活を送っている人のうち、およそ60%がPTSD=心的外傷後ストレス障害の疑いがあることが支援団体の調査で分かりました。
支援団体は「社会的援助が不十分なことが原因ではないか」と指摘しています。
この調査は、弁護士などで作る被災者の支援団体、東京災害支援ネットと震災支援ネットワーク埼玉が早稲田大学と協力して行ったものです。
東日本大震災や原発事故の影響で、福島県から東京都と埼玉県に避難している4268世帯に、ことし3月から4月にかけて郵送で質問を送り、499人から回答を得ました。
調査では、PTSDの疑いがあると判断された人は、およそ60%に上りました。
PTSDは、災害や大事な人の死など、強い精神的ショックを受けたことが原因で、つらい体験を急に思い出したり、不眠や集中困難な状態が続いたりする精神的な後遺症のことです。
今回の調査では、その後遺症として、日常生活の中で震災の恐怖を急に思い出したり、小さな揺れや物音に過剰に反応したりするケースが多く確認されたということです。
また、心のストレスがどれだけたまっているのか、「抑うつ・不安」や「不機嫌・怒り」、それに「無気力」の3つの指標で調べたところ、基準値より高い値を示し、心理的ストレスが高い状態だと判断された人は半数以上いました。
震災支援ネットワーク埼玉の愛甲裕事務局長は、「単純に比べることはできないが、阪神大震災の1年4か月後に兵庫県の会社員を対象に行った調査では、PTSDの疑いのある人は、およそ13%だったというデータがあり、今回の60%という数値は、危険な状態を示している。避難生活の先行きが見えないことや、社会的援助が不十分なことが原因ではないか」と話しています。
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