急きょ横浜入りした白仁田【拡大】
このチャンス必ずモノにしてみせる。白仁田が3日のDeNA戦でプロ初先発する。ドタバタ劇の末に回ってきた今季初の1軍登板の機会を生かし、プロ初勝利をもぎ取る。
「さっき言われました。せっかくのチャンスなんでしっかり投げたい」
本来は3日のウエスタン・ソフトバンク戦(甲子園)に先発予定だった。先発前日のこの日は、午前中に鳴尾浜で調整を行い、帰途についていた。
一方、その頃、甲子園の室内練習場で1軍投手の指名練習が行われていたが、スタンリッジの姿がない。腰の張りを訴えていたことが判明。出場選手登録が抹消された。代わって予告先発された白仁田が再び、鳴尾浜に訪れた。虎風荘から荷物を取り出し、新幹線で横浜に向かった。
プロ6年目の今季はウエスタンでは17試合に登板し、4勝1敗。防御率2・32は秋山に次いでリーグ2位の数字だ。6月12日に1軍昇格をしたが、登板機会を与えられず、7月4日に登録抹消。そのうっぷんをはらすチャンスが巡ってきた。
2008年大学・社会人ドラフト1巡目で福岡大から阪神に入団したが、6年間で1軍登板は4試合のみ。入団前に抱えてきた右肩痛もあり、順風とはいかなかった。長い道のりを経て、チャンス到来だ。
「先々のことを考えてやることができるようになってきた。しっかり投げられるように頑張ります」
入団時の背番号「47」はすでに「64」に変わっている。がけっぷち男が、9月3日を一生忘れられない日にしてみせる。 (渡辺 洋次)
(紙面から)