鳥谷の4番続行を明かした【拡大】
♪ハッピバースデ~ と声高に歌えるほど、ハッピーな状況ではない。そんなことは十分に承知している。が、己の信念を曲げて幸せなどつかめようか。51歳の誕生日を迎えた和田監督は「4番・鳥谷」を貫く。
「(続けると)言ってしまうと、何が起こるかわからんけどね。ただトリ(鳥谷)になんとか、気持ちでチームを引っ張るぐらいのものになってほしいという思いがある」
首位巨人には8・5ゲーム差と大きく水をあけられている。3位以下は大きく引き離し、クライマックスシリーズ(CS)進出を争うような切迫さもない。一匹陸の孤島に漂うように、虎は獲物を見つけることが困難なシチュエーションに身を置く。
だが、シーズンは29試合も残っている。その先にはプレーオフもある。巨人との直接対決で3連敗を喫してから、次カードの広島戦(甲子園)でも負け越し(1勝2敗)。抜け殻状態の虎を救うのは生え抜きのチームリーダーしかない。
和田監督はクールなチームキャプテンの変化を感じ取っていた。
「意識はね。そこ(4番)に座る…というものがね。結果はそんなにパッと出るもんじゃないやろうがね」
8月30日の広島戦からの4番を務めた3試合で9打数2安打、打率・222。劇的に打ち出したわけではないが、リーグ2位の四球数(79個)を誇る見極めの達人が、4番襲名以降、積極的な初球打ちに出ている、31日の同戦では初球を叩きタイムリーを放つなど、モデルチェンジは明らかだ。