「運命と宿命」 (4) 時代を超えて機能する「運命のプログラム」
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          果たして人には、「運命」や「宿命」といったものがあるのでしょうか。
          あるとしたら、それはどのようのものなのでしょう。
          一定の考察を辿ったときに、どうやらそれは確かに存在すると考えられるのです。


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     『 我々の人生は、確定未来形である 』 ・・・ その四


  前回までは、双子に対して生じた偶然の一致という観点から「運命と宿命」というものを考えて来ましたが、実は時代を隔てた人同士でも、同様のことが生じているのです。それは我々に適応される「運命のプログラム」というものが、どのような形で存在するのかを示す恰好の材料となります。以下に、紹介しておくことにします。


  まず、事実関係の説明からです。

  次に紹介するのは、例ののテレビ番組「アンビリバボー」(フジTV) <1999年、1/28(木)> で放送されたものです。おそらく御覧になった方も多いことでしょう。以下は、その番組の内容を文章に書き改めたものです。

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  アメリカのウイスコンシン州に住む、考古学者の、フランク・ジョセフさんの人生は、何と、百年前に実際に生存した、イグナティウス・ドネリーという人物と「同じ運命」を辿っているというものでした。


  ○ 1999年1月、考古学者のフランク・ジョセフさんは、ミネソタ州、セントポールにある、ある人物の墓を訪れた。
    それはイグナティウス・ドネリーという人物の墓であった。


  そもそもこの出来事は、今から11年ほど前に始まった。具体的にはジョセフさんが、アトランティス文明をテーマにした本を出版した時からであった。
  1988年の初め、アトランティスに関する最初の本が好評だったために、フランク・ジョセフさんは続編の準備のために、図書館で資料にする本を探した。

  その中に、100年ほど前に書かれた本があった。それは、『アトランティス・太古の先進国家』という題名の本であった。19世紀のアメリカの作家、イグナティウス・ドネリーが書いたものであった。
  ジョセフさんはドネリーの考察や、ものの見方に強く共感した。それらはジョセフさんの本の内容と、深く共鳴していたからである。

  後書きによると、ドネリーの本は当初、『アトランティスの崩壊』という題で出版される予定であったという。これは以前にジョセフさんが書いた著書名と、まったく同じ題名であった。

  ドネリーは誕生日が、11月3日で、ジョセフさんと一緒であった。しかも、ジョセフさんの母親の説明では、ジョセフさんは最初、イグナティウスと名付けられる予定であったという。


  ジョセフさんは、ドネリーのことを調べてみることにした。
  そのために、ドネリーの本を注文した。
  そして、注文した本が届くのを待つ間に、アイルランドへの旅に出た。それは、1988年5月のことであった。
   旅行の目的は、アイルランド人の祖先である、古代ケルト人の文化の調査であった。なかでも、ウイッカーマンという人型の像の調査を最大の目的としていた。
  それは細い木の枝で編まれた、10メートル近い巨大な人型の像で、中に何人もの人を入れて火を懸けて生け贄にするための道具として使われたという。

  その年の9月、注文しておいた本のうちの一冊を、ようやく手に入れることが出来た。それは、『シーザーの柱』という20世紀の生活を風刺した小説であった。
  その中に、著者、ドネリーの体験談が記されていた。
  それによると、ドネリーもちょうど100年前の5月に、アイルランドを旅行していたのである。しかも、ジョセフさんとほぼ同じルートで、遺跡を巡っていた。またドネリーの最大の目的も、あのウイッカーマンの調査であった。

  二人の間の不思議な一致は、さらに続いた。

   ○ 1888年11月3日、ドネリーの誕生日。
    彼は友人から、名前入りの黄金の万年筆を贈られた。

   100年後の、1988年11月3日、ジョセフさんの誕生日。
   ジョセフさんもまた、友人から名前入りの黄金の万年筆を贈られた。

   ドネリーについて調べれば調べるほど、一致するものが増えていった。
   ○ 少年時代のジョセフさんは、近所の森に、宝物を埋めていた。それは古代ルーム文字が刻まれたペンダントであった。
   ドネリーもまた、古代ルーム文字が刻まれたペンダントを宝物として、近所の森に埋めていた。

   その他の二人の共通点
   ドネリー。
     24〜5歳の時に、フィラデルフィア 108ウォールナッツストリートに住んでいた。
   ジョセフさん。
     24〜5歳の時に、イリノイ州 108ウォールナッツストリートに住んでいた。

  二人のこうした共通点は、日常のささいな点も含めると、ゆうに100を超えた。


  ○ ジョセフさん本人の話。
    『 私が体験していたのは、生まれ変わりとは違う何かなのです。私は自分の身に起きた奇妙な現象に、興味を抱き、似たような事例の調査を始めました。』

  名付けて「 パラレル・ライフ 」( 平行して進行する同じ人生 )
   まったく関係のない二人以上の人間が、時間と空間を超えて同じ人生を歩む現象のこと。

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    1995年、ある出版社からジョセフさんに原稿の依頼が来た。地方の出版社からであった。その町の名は、ミネソタ州、ナイニンジャー。
  それは、何と、ドネリーが長年住み、その生涯を終えた町であった。

  打ち合わせの後で、出版社の担当者から、ある資料が手渡された。
  ジョセフさんには、そうした依頼をした覚えがまったくなかった。担当者は、電話で依頼をされたと言う。
  後で確認しても、その担当者はともかくその資料を、ジョセフさんに渡さなければならないと思っていたということであった。

  その資料には、ドネリーに関する小さな特集が載っていた。しかもその中に、彼の人生の最後の様子が記されていた。
  ドネリーは、心臓発作による呼吸困難で、もがき苦しみながら死んでいったという。
  そのドネリーの命日は、1901年1月1日であった。

  運命のシナリオは、ジョセフさんが、ドネリーと同じ結末を迎えることを示している。従って、2001年1月1日が、ジョセフさんの「運命の日」ということになる。
  ジョセフさんの人生の結末までは、あと2年あまりである。
    ( ただしこれは、テレビで放送された時からの日数です。実際には、すでに経過しています。その後のジョセフさんの消息が知りたいところです。もし今もお元気であれば、運命のプログラムにズレが生じたことになります。)


   ジョセフさん本人の話。(ドネリーの墓の前で)
   『 人生の結末までが、パラレルライフに支配されているかどうかは、その時が来てみなければ分かりません。すべては、神のみぞ知るです。だからくよくよせずに、運命の日を待ちます。』


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   ○ リンカーンとケネディの間にも、このパラレル・ライフ現象が起きていた。

   第十六代大統領   リンカーン
   第三十五代大統領  ケネディ

   二人が初めて議員に選ばれたのが、 
      リンカーン   1,847年
      ケネディ    1,947年

   そして、大統領就任は、
     リンカーン   1,860年
     ケネディ    1,960年
  この間には、いずれも100年の間隔がある。
  そして二人とも、内政の最重要課題が、「人種問題」の解決であった。

  また二人は、暗殺によって、その生涯を閉じた。
       リンカーン   1,865年
       ケネディ    1,963年。
    ほぼ100年である。

   しかもそれは、ともに金曜日で、妻が側で見守る公衆の面前であった。

    ○ さらに二人の後を引き継いだ副大統領は、
      1808年生まれの アンドリュウ・ジョンソン
      1908年生まれの リンドン・ジョンソン

    ○ リンカーンを暗殺した犯人
              ジョン・ブースは    1,839年生まれ。
      ケネディを暗殺したとされる犯人
             リー・オズワルドは   1,939年生まれ。
  
   そして、二人とも、裁判にかけられる前に殺された。

   ○ さらに、
      リンカーンの秘書の名前は ケネディ であり、
      ケネディの秘書の名前は  リンカーン であった。

   二人の秘書はそれぞれ、その現場に行かないようにと強く進言していたという。


  フランク・ジョセフさんの話
   『 つまり、リンカーンの人生は、ケネディの人生のシナリオになっていたのです。ケネディは、運命のシナリオであるパラレル・ライフのままに、最後を迎えてしまったと言えるのです。』


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  さて、こうした事実関係があることを大前提にして、我々の「運命のプログラム」というものが、どのような形で存在するのかを考える必要があるわけです。

  先に紹介した双子のジム兄弟の場合は、同じ日に生まれたことにより、同時進行的に同じ運命を辿ることになったのですが、今回のジョセフさんの場合は、百年前に生存した見も知らぬ人物とまったく同じ運命を辿ろうとしているのです。またリンカーンとケネディの場合も、百年という年月の隔たりを超えて、様々な運命を共有したのです。

  このことからも、次元を超えたあちら側の世界には、我々の「運命と宿命」を決定するものが、確かに存在すると考えなければならないことになります。
  そして、その「運命と宿命」が、いつの時点で決められるのか、どのようにして決められるのかといったことを考えたときに、例の「アガスティアの葉」というものの存在を無視することが出来なくなるのです。

  「アガスティアの葉」というのは、約五千年も前に書かれたという予言書です。それについては、次回に、、、。




                           2001. 3. 28.        店主記す





  



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