練習会場に到着し、ファンからの声援に応える本田=大阪府内(撮影・山田喜貴)【拡大】
前だけを見ていた。今夏の欧州の移籍期間が終わる2日(期限は日本時間3日午前6時)。MF本田は午前11時11分に大阪府内の宿舎に到着。この日の早朝に帰国した欧州組を除けば一番乗り、ザッケローニ監督よりも早かった。夕方の練習では、ランニング時はダッシュで先頭に立ち、攻撃の確認では誰より多くシュートを打った。外せば大声を上げて悔しがるなど、目の前の練習、試合だけに集中していた。
「しゃべること、ないですよ。しゃべらんでも記事、書けるでしょ。まあ、見ていてください」
約2時間のメニューを終えると、2カ月にわたって過熱した移籍問題に終止符を打つように笑みを浮かべた。厳しい表情だった前日1日の帰国時とは一転、短い言葉に決意がこもった。
本田の獲得に向け、ACミランは8月30日に総額400万ユーロ(約5億2000万円)の最終オファーを提示。しかし、CSKAの返答は「NO」。昨季のリーグ優勝などCSKAに尽くしてきたエースにとって、無情な結論が下された。