自分が専門家に該当するかどうかわかりかねていますが、わかる範囲でお答えします。
まず、k1,k2はプロセスファクタと呼ばれる物で、光学の計算から求められた物ではありません。これはレジスト材料の種類、その他etcの条件変わる数値です。
元々の光学から求められた、RとDOFの式にあとで追加した物だと考えて下さい。
それ以外の光学部分の式は、キルヒホッフの回折理論がベースになっています。
この回折理論からフーリエ光学(別名スカラー理論とも言います)という美しい体系が生まれました。
最小解像度の式は、円形開口がある時の非常に遠方での回折像(これをフランフォーファ回折といいます)の導出によって得られます。
「非常に遠方」は丁度開口の後にレンズをおいて結像させたときの像に一致します。
焦点では丁度波面は光軸に対して垂直でかつサイズは最小となります。
元になる式は、像の振幅分布をU(x,y)とすると、
U(x,y)=C×[exp{-ik(ax+by)}]のda,dbの二重積分、範囲a^2+b^2<=NA^2
で表され、これを解くと(途中極座標変換などします)ベッセル関数Jで表される答えを導き出すことが出来ます。
強度分布はI(w)=U(w) :ここでwは中心からの半径
になります。この式で第一エアりーディスク(中心から進んで光強度が初めに0になる円)の半径までを解像度の大きさとします。
次に、焦点深度の方は、デフォーカスしたときの波面がλ/4になるまでの距離で求められます。
いずれにしても結構計算があって、ちょっと説明しきれないので、詳しくはフーリエ光学の本を見て下さい。
応用物理学会の日本光学会で発行している「光学」という学会誌の1992/5月号より12月号まで、
「フレッシュマンのための現代光学」
という題名でわかりやすく解説されていますから、参照されると良いでしょう。
なお、なぜ短波長の光源が最小解像度が小さくなるのかというご質問ですが、
基本的に光は波であるため、絶えず広がろうとする性質があります。しかも集めれば集めるほど広がろうとする力が増加します。
そのため、レンズで一生懸命絞ろうとしても、限界があるわけです。
ところが波長が0の光を考えると、もはや波ではなくなります。(波長が0ということは波にはなりえませんよね?)
そうすると、波の性質は無くなるので、一点に光を集めることが出来ます。
現実にはそんな波は無限大のエネルギが必要になりますので作ることは出来ませんが、概念的にはそうなります。
近似的にこれを扱うのが「幾何光学」と呼ばれるものです。
故に、波長が短くなるほどこの粒子的な性質が波としての性質よりどんどん強くなるので、同じNAだと単純により絞り込むことが出来るようになります。
NAが大きいと小さく絞り込めるのは、光が広がる前に強い力で集めようと言う意味だと思って下さい。
この先、多分変形照明など色んなケースを学ばれるでしょうから、フーリエ光学の基礎は勉強された方がよいと思います。
では。
投稿日時 - 2000-12-25 11:44:52