【木村俊介】日本原子力学会の事故調査委員会(委員長、田中知・東京大教授)は2日、東京電力福島第一原発事故で増え続ける汚染水について、放射性物質の除去装置で取り除けないトリチウム(三重水素)は薄めて海に流すべきだとする見解をまとめた。ほかに手はなく、高濃度の放射性物質が漏れるリスクを減らすべきだとしている。
この日公表した最終報告書の原案の中で示した。
原案の中に、トリチウムを自然界に存在する濃度にまで薄めて海に流すことを盛り込んだ。トリチウムは水素の同位体。法で定める放出限度は1リットルあたり6万ベクレルで、放射性セシウムに比べ千分の1の濃度。水として振る舞うため調査委員会は生物の中で濃縮されることはないとしている。