アジア・太平洋株式サマリー:香港・印株が大幅高、中国株も上昇
9月2日(ブルームバーグ):アジア・オセアニア各株式市場の動きは以下の通り。
【香港株式市況】
香港株式 相場は上昇。ハンセン指数が3週間ぶりの大幅高となった。中国国家統計局と中国物流購買連合会が発表した8月の製造業購買担当者指数(PMI)が1年4カ月ぶりの高水準に上昇したことが好感された。
中国最大の産銅会社、江西銅業 (358 HK)は1.7%高。鉄道建設の中国鉄建(1186 HK)は3.4%値上がり。1-6月(上期)に増益となったことが材料視された。カジノ運営会社の銀河娯楽(27 HK)は4.1%高。マカオの8月のカジノ収入が予想を上回ったことを織り込んだ。
ハンセン指数 は前週末比443.97ポイント(2%)高の22175.34で終了。先月12日以来の大きな上昇率となった。ハンセン中国企業株(H株)指数は前週末比2.3%高の10055.05で引けた。
ベアリング・アセット・マネジメントのマルチアセット戦略責任者キエム・ドゥ氏(香港在勤)は、「製造業PMIが中国の景気減速の終了を裏付けているほか、緩やかな回復を示唆している」と指摘。「きょうの相場にはシリアへの攻撃が先送りされたという中東情勢の影響もあった」と述べた。
【中国株式市況】
中国株式相場は上昇。中国の製造業活動を示す指数が8月に上昇したことが好感された。建機株が買われた一方で、酒造会社の貴州茅台酒は利益の伸びが鈍化し、7年ぶりの大幅安となった。
建機メーカーの中連重科(000157 CH)と三一重工(600031 CH)は値上がり。時価総額で中国最大の酒造会社、貴州茅台酒(600519 CH)は10%下落した。1-6月(上期)の利益の伸びが半期としては2009年以来の低水準となったことが響いた。
光大証券(601788 CH)は8.5%安。中国の証券監督当局が制裁金を科したほか、同社の幹部2人が辞任したことを嫌気した。
上海証券取引所の人民元建てA株と外貨建てB株の双方に連動している上海総合指数 は、前週末比0.07ポイント高の2098.45で終了。上海、深圳両証取のA株に連動するCSI300指数は同0.3%高の2320.34。中国国家統計局と中国物流購買連合会が1日発表した8月の製造業購買担当者指数(PMI)は51.0と、1年4カ月ぶりの高水準となり、7月の50.3から上昇した。
華西証券の毛勝アナリストは、「最近の経済指標は好調だ」と指摘。貴州茅台酒は「上期利益が予想を下回った」ため、値下がりしたと説明した。
【インド株式市況】
インド株式 相場は上昇。指標のS&Pセンセックス指数は4営業日続伸で、約3週間ぶり高値を付けた。経済成長率が4年ぶりの低い伸びとなったものの、原油値下がりが相場の上昇要因となった。銀行株と消費関連銘柄が買われた。
インド2位の銀行、ICICI銀行 は一時、2カ月ぶり大幅高となった。たばこメーカーのITC も大きく上げた。値上げが買い材料。世界最大の製油所を所有するリライアンス・インダストリーズ は5週間ぶり高値となった。
ムンバイ市場でのセンセックス指数 は前週末比266.41ポイント(1.4%)高の18886.13で終了。オバマ米大統領がシリア攻撃の承認を議会に求める方針を表明したことを受け、早期攻撃で中東産原油の供給が滞るとの懸念が後退した。インドは原油需要の80%を輸入に頼っている。
【インドネシア株式市況】
インドネシア株式相場は下落。通貨ルピアも値下がりした。政府が発表した貿易赤字が市場予想に反して拡大し、少なくとも2007年以来の高水準となったことが嫌気された。
ジャカルタ総合指数 は前週末比2.2%安の4101.23で終了。即席麺メーカーで国内最大手のインドフード ・サクセス・マクムールは9.2%安。同社が中国閩中食品に買収案を提示したことが嫌気された。
インドネシア・ルピアは0.5%安の1ドル=1万979ルピア。7月の貿易赤字は23億ドル(約2300億円)と、ブルームバーグ・ニュースがまとめた調査での16人全員の予想を超える赤字額となった。
【オーストラリア株式市況】
S&P/ASX200指数は前週末比53.32ポイント(1%)高の5188.28。
【韓国株式市況】
韓国総合株価指数は前週末比1.55ポイント(0.1%)安の1924.81。
【台湾株式市況】
加権指数は前週末比16.97ポイント(0.2%)高の8038.86。
更新日時: 2013/09/02 20:34 JST