ECB債券購入は「無差別に」利回り押し下げない-クーレ理事
9月2日(ブルームバーグ):欧州中央銀行(ECB)のクーレ理事は2日、ECBの債券購入計画「アウトライト・マネタリー・トランザクション(OMT)」は対象国の債券利回りを適正なレベルよりも低くするために活用されることはないと言明した。
同理事はベルリンでの講演で、「国債スプレッドを無差別に縮小させるためにOMTが利用されることは決してない。スプレッドは引き続き、それぞれの国の経済ファンダメンタルズ(基礎的諸条件)と財政状況、市場のリスク認識を反映する」と説明した。
必要な場合には無制限の債券購入を約束するOMTについては、マネタリーファイナンスを禁じたEU規則に抵触するかどうかが争点になっている。クーレ理事は「OMTはマネタリーファイナンス禁止の動機となった有害なシナリオに相当しない。OMTの目的はその逆だ。ファンダメンタルズが悪化すれば、ECBはOMTに基づく介入を減らすか場合によっては停止するだろう」と語った。
ドイツの憲法裁判所は22日に予定される同国総選挙後に、OMTの合憲性について判断する公算。
クーレ理事はまた、OMTの発動はECBのインフレ見通しにも左右されるとし、「ECBの政策委員会にとって決定的な基準はただ一つ、ユーロ圏の物価安定維持だ」と強調した。
原題:Coeure Says ECB’s OMT Won’t ‘Indiscriminately’ Cut BondSpreads(抜粋)
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更新日時: 2013/09/02 20:35 JST