専門家らでつくる気象庁の異常気象分析検討会(会長、木本昌秀東大大気海洋研究所教授)は2日、広い範囲で猛暑となり、地域によって局地的な豪雨や極端な少雨になった今年の夏(6~8月)について「異常気象だった」と位置付けた。
気象庁によると、全国927の観測点のうち125地点で最高気温を更新、18地点でタイ記録となった。最低気温も74地点で高い記録を更新。高知県四万十市では8月12日、国内観測史上最高気温を6年ぶりに更新する41.0度に達した。
日本の平均気温は平年より1.06度高く、1898年以降で4位の暑さだった。都市化の影響が少ないとみられる17地点の観測値を使っている。
秋田、岩手、島根、山口の一部地域では、過去に経験がないような豪雨が降り、日本海側を中心に局地的な大雨が目立った。東日本から西日本の太平洋側の一部や九州南部などは記録的な少雨となった。
検討会の分析によると、インドネシア周辺などで海面水温が平年より高くなり大量の雲が発生した影響で、日本上空にある下層の太平洋高気圧と上層のチベット高気圧がともに強まり、雲のできにくい状態になった。
一方で、西側に強く張り出した太平洋高気圧の周辺に沿って日本海側に暖かく湿った空気が流れ込み、日本海の海面水温の高さも影響して強い雨が降った。
木本教授は、地球温暖化が猛暑に影響した可能性も指摘。今後は、気温上昇とともに「局地的な強い雨もさらに増え、強さも増すのではないか」と話した。〔共同〕
異常気象
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