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02 Sep 2013 11:18

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ウルトラマンランド、閉園前に盛況 施設長インタビュー

qBiz 西日本新聞経済電子版 8月29日(木)11時3分配信

ウルトラマンランド、閉園前に盛況 施設長インタビュー

行列をつくってヒーローと握手を交わす子どもたち

 9月1日で閉園するウルトラマンランド(熊本県荒尾市)が夏休みの家族連れでにぎわっている。お盆期間中や週末は1日3千人前後、平日でも千人以上が来園。全国唯一のウルトラマンのテーマパークとの別れを惜しんでいる。

 園内では夏休みに合わせ、イベント「ウルトラライブステージ・ファイナル」が開かれている。歴代ヒーローが登場するアクションショーなどがあり、客席は家族連れでごった返した状態。子どもたちは怪獣や宇宙人と戦うヒーローに「頑張れ!」と声援を送り、終了後はヒーローとの握手や記念撮影を楽しんでいる。

 今月中旬、東京から長崎県平戸市に帰省していた学習塾講師の神田正道さん(50)は、2〜9歳の子ども5人を含む家族7人で来園。食い入るようにショーを楽しむ子どもたちに目を細め「私もウルトラマンで育った世代。怪獣は全部知っています。ここは大人もタイムスリップして子どもに戻れる空間。閉園は非常に残念です」と話した。

 園内のレストランやショップも大盛況。来園客は列をつくり、ウルトラマンをかたどったご飯を盛ったカレーライスやハンバーグを楽しみ、歴代ヒーローをあしらったグッズや洋菓子などを買い求めている。

 ウルトラマンランドは1996年3月に開園した。来園客は当初、年間約30万人に上ったが、景気低迷などを背景に客足が鈍り、近年は10万人程度に低迷。今年2月、運営する円谷プロダクション(東京)が閉園を決めた。敷地(約8400平方メートル)を所有するグリーンランドリゾート(荒尾市)によると、閉園後の活用法は未定という。

 ◆「ヒーローに触れた思い出は永遠」

 開園から17年間、ウルトラヒーローを発信し続けた施設には、関係者のどんな思いが込められていたのか。高田昌範施設長(37)に聞いた。

     ◇

 ウルトラマンは正義のヒーロー。ただ、描かれる物語は単なる勧善懲悪ではありません。核開発に警鐘を鳴らしたり、怪獣を退治せずに宇宙に送り返したり…。歴代で微妙な違いはありますが、どれもメッセージ性あふれる物語といえます。

 ショーなど施設で催すイベントは全て、地元で企画してきました。脚本で重視したのは、子どもたちの夢や希望をいかに育むか。テレビやDVDと違って直に触れ合えるヒーローから、目標を持つことの大切さ、夢をあきらめないことのすばらしさを学べるような内容を心掛けてきました。

 子どもたちの親の世代もそうですが、ヒーローに触れた記憶はいつまでも鮮烈です。ここで目指してきたのは、そうした時間。施設はなくなっても、子どもたちがウルトラマンと過ごした思い出はずっと消えません。(談)

西日本新聞社

最終更新:9月1日(日)23時16分

qBiz 西日本新聞経済電子版

 
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