今日の国内市況(9月2日):株式、債券、為替市場
(ブルームバーグ):きょうの国内市場の株式、債券、為替相場は以下の通り。
●日本株は反発、シリア警戒一服やGDP上振れ観測-五輪招致期待も
東京株式相場は反発。シリア情勢への警戒が一服、為替市場での円安推移が好感されたほか、朝方発表の法人企業統計を受け、国内総生産(GDP)改定値の上振れ観測が広がった。オリンピックの東京誘致への期待も加わった不動産や建設、鉄鋼株の上げが目立ち、個人向けローンの復調観測でその他金融株は急伸。
TOPIXの終値は前週末比11.73ポイント(1.1%)高の1117.78、日経平均株価は184円6銭(1.4%)高の1万3572円92銭。
みずほ投信投資顧問の岡本佳久執行役員は、「シリアへの早期の攻撃がなさそうだとし、先週ショート(売り持ち)した向きの買い戻しが入った。為替の円安で、安心感が広がっている」と見ていた。
●債券続落、10年債入札控え売り優勢-シリア攻撃先送り受けた株高も
債券相場は続落。あすの10年物国債入札に向けた売りに加え、シリアへの軍事介入が先送りになったことなどによる国内株高が相場の重しとなった。
東京先物市場で中心限月の9月物は前週末比9銭安の144円26銭で開始。午前8時50分の法人企業統計の発表後に144円13銭と日中取引で8月27日以来の安値を付けた。午前は144円20銭付近でもみ合ったが、午後に入ると株高を受けて再び144円13銭まで下落。結局は18銭安の144円17銭で引けた。
●円が下落、シリア懸念一服や日中指標改善で-対ドルは99円台前半
東京外国為替市場では円が下落。米国による早期のシリア攻撃への懸念が後退したほか、中国の景況感改善や予想を上回る日本の法人企業統計を受け、リスク選好に伴う円売り圧力が優勢となった。
ドル・円相場は1ドル=98円30銭台と前週末のニューヨーク終値(98円17銭)よりもやや円安水準で始まった後、午前8時50分の法人企業統計発表を受けて円売りが強まり、正午すぎには一時98円68銭と先月26日以来の水準まで円安が進行。午後は同水準付近でのもみ合いが続いたが、欧州市場に向けては先月23日以来の99円台を回復し、一時99円12銭まで円が値を切り下げた。
みずほ証券の鈴木健吾FXストラテジストは、中国経済がしっかりしていることは「世界経済にとって非常に喜ばしい」と言い、中国の成長は「リスクオンの円安」につながると指摘。一方、米量的緩和の縮小時期については「メーンシナリオは9月にしている」とした上で、仮に9月から延期されたとしても「緩和縮小の方向性は残る」とし、「結局ドル高に行くだろう」と語った。
更新日時: 2013/09/02 16:27 JST