†コンラ†
アイルランド神話の偉大な英雄クー・フーリンの息子。母親は影の国の女戦士アオーヴァ。
策略を用い、なんとか勝ったクー・フーリンは、後にアオーヴァと愛し合うようになる。
影の国を離れる時、クー・フーリンは彼女に金の指輪を渡し、帰国する。
数年後、アルスターの地にやってきた若者コンラは次々と戦士たちを倒し、ついにクー・フーリンの乳兄弟コナルをも打ち負かす。この血気盛んな若い戦士を見て、クー・フーリンはどうしても戦いたくなり、決闘を申し込む。
コンラは自分の正体を明かさず、偉大な父の挑戦を受け戦った。
父子は互角の戦いを続けていたが、コンラの攻撃によって髪を切られたクー・フーリンは怒り、さらに激しく攻め上げた。そして、英雄の投げた槍が若い戦士の腹を貫いた。
倒れ伏し息絶えた若者に目を向けた時、彼は初めてその指に金の指輪がついているのに気づいた。
それはかつて、自分が影の国でアオーヴァに与えたものであり、この若者が我が子である証拠であった。英雄は自らの手で息子を殺してしまったことを悔やみ、悲しみに打ちひしがれた。