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事件
【櫻井よしこ 美しき勁き国へ】規制委、科学に徹すべし
2013.9.2 03:09
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汚染水はまず何よりもその発生源を止めなければならない。それを監督するのが規制委員会の役割である。
従っていま重要なのは、40万年前に1回動いたか動かなかったかといった活断層の議論ではないはずだ。建屋の止水対策がしっかりできているかをこそ、真っ先に審査すべきだ。汚染水は、止水対策がしっかりしていれば発生しない。規制委員会が審査の優先順位を間違えているために、汚染水対策まで後手に回っているのである。
にも拘(かか)わらず、原子力規制委員会は原発潰しを目的とするかのような非科学的な活断層議論を現在に至るも展開中である。典型例のひとつが日本原子力発電敦賀原発2号機の真下を通る断層についてのそれである。島崎邦彦氏をトップとする専門家チームは同断層を満足に議論することもなく活断層だと結論づけた。
日本原電の公開質問状や異議申し立てに対して、島崎氏は「逐一答えるということではない。全体のことを理解していただくようにしたい」と言うが、全体を理解するためにこそ緻密な科学的議論が必要であろうに、不思議な反応である。
活断層か否かを議論する中で、日本原電が提出した原発サイトの断面図がある。この図を島崎チームは縦方向だけ2倍に引き延ばして、立地するサイトの急傾斜を強調している。こんな小細工を弄(ろう)して得た結論に、チーム内部から強い非難が噴出したのは当然であろう。堤浩之京都大学准教授が「根幹にかかわるデータがかなり不足している」と批判し、藤本光一郎東京学芸大准教授は「学術論文には到底書けないもの」と、驚くほどあからさまな批判を展開した。
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