証言3・11:東日本大震災 三陸鉄道南リアス線運転士、乗客励まし誘導

毎日新聞 2011年06月30日 東京朝刊

 ◇トンネル走行中に強震 懐中電灯1本で脱出決意

 岩手県釜石市と大船渡市にまたがる三陸鉄道南リアス線の鍬台(くわだい)トンネル(全長3906メートル)内を走行中、東日本大震災が発生して緊急停止した1車両が6月24日、3カ月半ぶりにトンネルの外へ出た。運転したのは震災発生時もこの日も、三陸鉄道運行部の休石(やすみいし)実さん(40)。震災時は余震が続く中で乗客2人を誘導、避難先へ送り届けた。「素直に怖かった。いろんな運が重なったおかげで助かりました」

 トンネルは唐丹(とうに)(釜石市)−吉浜(大船渡市)駅間にあり、休石さんは唐丹に向かって走行中、強烈な揺れを感じた。運転司令室から停止するよう指示があり緊急停止。その後5分もしないうちに無線は途絶えた。

 乗客2人と2時間ほど車内にとどまっていたが強い余震が続いた。「崩落が起きればトンネルの出口がふさがれる」。休石さんは脱出を決意した。

 車両が停止したのはトンネルの中央よりやや吉浜寄りの地点。唐丹側は出口の光が見え、吉浜側は真っ暗だった。しかし、休石さんは吉浜側の方が高い位置にあること、出口の近くに民宿があることを思い出した。「民宿から会社と連絡が取れるだろう」。暗いトンネルの中、懐中電灯1本を頼りに出口へ向かった。「あと少しで出口ですよ」。乗客2人を励ましながら歩いた1キロ余りは「とても長く感じた」という。

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