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水口章のプロパガンダ - 醜悪で論外なシリア攻撃正当化
週末、テレビを見ていたら、水口章が民放局をハシゴして、オバマのシリア軍事介入を正当化するプロパガンダを撒きまくっていた。TBSも、テレ朝も、シリア情勢のスタジオ・コメンテーターに水口章を呼んでいる。この男は、10年前のイラク戦争のときも、「専門家」の顔をして、ブッシュの軍事侵攻をテレビで擁護する役割を果たしたが、こういうときは必ず出番が回ってくるらしい。宮家邦彦がレギュラーで右翼路線で固めているテレ朝の方は頷けるが、TBSの関口宏の番組に出てきたのには驚いた。9/1のサンデーモーニングでは、ニュース・トピックスの冒頭でシリア問題を取り上げたけれど、岸井成格がコメントを吐く場面はなかった。岸井成格の代わりに水口章に「解説」をさせている。つまり、局(TBS)として、番組として、水口章の話が公式見解なのだ。民放テレビは、露骨に偏向した水口章の主張を標準の「解説」に据え、シリア報道のキーメッセージをデリバリーした。いつものこととは思いつつ、あまりの毒々しさに愕然とさせられる。半年ほど前だったか、竹島と尖閣がらみで、官邸に対外問題のマスコミ報道を監視・干渉する部局が置かれ、「国益を守る」報道をするよう各局各紙を指導することになったという情報があった。おそらく、今回、その政治が発動され機能したのだろう。安倍晋三と世耕弘成が裏で指示を出し、水口章の「休日出勤」を受け入れさせている。
水口章が何を言ったかを詳細に思い出すのは、精神作業として面倒で苦痛だ。昨日(9/1)は、テレビの前で憤慨したけれど、苛立つ気分をTWに吐き出すのはやめた。精神に負荷がかかることを、脳は自然に回避しようとする。脳のモニターシステムが作動して、負荷が過重で生体に障害だと警戒信号を出す。水口章の悪辣で猛毒な論理を復元し、検証し、反駁を加える営みを始めようととすると、キーボードを打つ前に脳のモニターが中止命令を出す。だが、それを見逃して、素早いタイミングで反撃しなかったら、政治の言論戦における機会逸失で、前線で陣地を明け渡すことじゃないかと、脳内にある別の政治のサブモニターが囁きかけ、行動への奮起を要請する。こちらの言論戦の陣地はネットしかなく、応戦の武器はTWしかないのだから、水口章のプロパガンダが世論に悪影響して吸着する前に、たとえ蟷螂の斧でも、誰かが何かの反論の一撃を入れ、政治戦の現場で抵抗を示さなくてはいけないのだと、そうサブモニターが行動を促す。その政治の責任論が口癖で、いつも他人にはそう言ってきたじゃないかと。だが、生体のモニターが脳のシステム全体で優先権を行使し、結局、水口章への批判は翌日以降にという決定になった。そうこうしているうち、夜になり、宮崎駿の引退のニュースが流れた。関心はそちらの方向に流され、それを利用して、都合よくというか、水口章の情報は脳の主記憶から一瞬で消えた。
水口章のプロパガンダをキーに据えた民放の週末報道も、NHKの7時のニュースも、日本のマスコミ報道は、シリアでの「化学兵器使用」事件が、アサド政権の仕業だと断定する認識で固めて崩さない。疑いの余地のないものとし、完全にそれを既成事実化している。水口章が登場した週末のシリア報道では、英国の下院議員たちが、どうして政府の軍事介入に反対したのか、その理由や判断について全く正視しなかった。彼らだって国民代表の議員だ。その彼らが、キャメロンが提出した報告書を見て、延々と議論を続けて、最終的に多数決で軍事介入を阻止したのである。長年、常に米国と戦争を共にしてきた英国が、今回はそれを中止したのだ。それは何故かと言えば、アサド政権が化学兵器テロを起こしたという情報について根拠が怪しく、確信できる証拠がなく、10年前のガセ情報を信用してイラク侵攻した過誤が重くのしかかったからだ。つまり、与党保守党を含めた英国下院議員の半数以上が、アサド政権を犯人とする報告書の信憑性を疑い、過去の失敗を教訓にした判断を下したからである。8/30に古賀茂明が説明したとおりだ。英国の議員はバカじゃない。現時点で、公平で冷静な目で事件を客観的に観察すれば、テロの犯人は依然として不明なのである。真犯人が特定できないから、英国議員は武力行使に賛同しなかったのだ。ところが、水口章も、他のスタジオ列席者たちも、その最も重要な事実には一瞥もくれなかった。指摘しなかった。
NHKの7時のニュースも、オバマが軍事介入を宣言した8/31(日本時間)以降は、事件の犯人をアサド側だと断定した姿勢に徹し、双方で見方が分かれるとか、両論があるとかいう報道をしない。政府側の犯行だと認識が確定され、無条件に「事実」が前提され、もはや争点とされない扱いになっている。決着済みの事項になっている。アサド政権側の濡れ衣の主張は、最初から嘘だとして退けられている。オバマが薄っぺらな報告書で示した根拠とは、大きく二つであり、第一に、化学兵器を保有しているのは政府軍側だから、それを使用するのも政府側に違いないという単純な決めつけと、第二に、攻撃前に政府軍内部で指令情報の交信があったとする「通信傍受」である。しかし、後者の方は、CIAが簡単に捏造できるもので、証拠としての具体性が乏しく、鵜呑みにして信用するのは危険だ。前者の方は、あまりに杜撰な論法で論外と言わざるを得ない。政府軍の武器庫に隠匿保管していたサリン弾を、反政府軍側が奪い取って使用した可能性もある。また、外国から神経ガスが搬入された可能性もある。ネット上では、反政府側がサウジから提供を受けたという
情報
が回覧されている。AP通信の記者が伝えたもので、アサド政権の潔白を根拠づける一つの有力な材料だ。そもそも、生物化学兵器は貧者の核兵器と呼ばれ、核兵器を開発する資金や技術のない国が、大量破壊兵器の軍事力として装備するものだ。誰でも製造できるし、混乱するシリアで、反政府側は容易に国境から持ちこめるだろう。
私はその疑いを抱いていて、偵察衛星でシリア全土を隈なく監視しているのは米国である。政府軍が化学兵器を移動させようとすれば、たちどころに異変に気づくはずだし、逆にCIAが化学兵器をシリア領内に持ち込むときは、その破壊工作を支援するべく、最も有効な搬入経路を見つけて指示するだろう。いずれにせよ、第一の根拠も、第二の根拠も、武力行使を正当化する説明として説得力を欠くもので、だからこそ、世界の世論も、英国の議員も、軍事攻撃に反対する声が多いのである。ところが、日本のマスコミは、親米右翼の水口章に「解説」を仕切らせ、オバマの説明と米国政府の立場を絶対視し、頭から「事件」の犯人をアサド政権だと決めてかかっている。その前提の上で、人道上の制裁が不可欠だとか、何もしないと再び化学兵器が使用されるなどと言い、軍事介入容認の世論の扇動に躍起になっている。「事件」について、米国の国民も含めた多数が怪しく思い、10年前にブッシュ政権に騙された経緯を反省している状況を一顧だにしない。信じられない光景だ。もしも、このテロ事件が反政府側の犯行であり、CIAの謀略であったなら、人道上の罪だの処罰だのは、全く逆の意味と構図になる。反政府側と米国こそが断罪されなくてはならない。動機の観点から分析すれば、シロに近いのはアサド政権で、クロに近いのは反政府側だ。常識で考えればそう推定される。水口章は、人道を大義とするオバマの決断は、何によっても拘束されないもので、安保理決議がなくても軍事攻撃は許されるとテレビで言い切った。国際法違反を正当化するとんでもない暴言ではないか。
早々と軍事攻撃への参加を決めたフランスでも、国民の世論は6割超が反対している。プーチンは、証拠があるなら国連安保理に提出しろと米国に要求した。プーチンの主張こそ正当なものだ。オバマは、証拠に自信がないから安保理にそれを出さないのであり、つまりは初めに武力攻撃ありきであって、4枚の紙で示した「証拠」は捏造工作の産物にすぎないのだ。「証拠」を詳しく精査されれば、必ず米国側の論理は破綻する。オバマは、英国が賛同して素早く武力攻撃に踏み切れば、理由の問題などどうでもよくなると考えたのだろう。英国が中止不参加を決めたため、今度は米国の議会と世論を説得する政治工作に出た。新しい「証拠」を捏造して撒く時間を計算したのであり、議員たちを「人道」だの「米国の使命」だのの論理で揺さぶって脅す思惑だ。この先送りは、一面では、オバマの優柔不断の性格が出た結果だが、もう一面では、軍事介入の責任を議会に委ねる措置であり、オバマの卑劣で臆病な本性がよく表出されている。イラクの「大量破壊兵器」のウソと同じように、いずれ、シリアの「化学兵器使用」のウソもバレる時が来る。口実作りのための捏造だったと判明する。そのとき、あれは議会が承認したからだと責任逃れを言うために、議会を巻き込む戦術に転換したのだ。オリバー・ストーンは、オバマを「ヘビのような男だ」と唾棄したが、その表現がよく当て嵌まる狡猾さではないか。今回、テレビの映像を見て気づくことがあったが、例えば、NY在住のシリア人が、カメラの前でアサド政権への支持を言っていた。
テレ朝の映像だったか、トルコ領内に避難するシリアの女性が、やはりカメラの前で、外国による軍事攻撃を不当だと抗議していた。これらの映像は、従来の冷酷非道なアサド独裁政権のイメージを覆すものだ。中には、ネットの情報で、シリアに協力隊で行った日本の若者が、シリアの治安は日本よりもよいと証言している
映像もあった。
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thessalonike5
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2013-09-02 23:30
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