仕事を拓く
若い民からの成長戦略
【社会】特定失踪者の遺体か 千葉、漁網に絡まり発見千葉県山武(さんむ)市の中古船舶輸出入会社の敷地内で八月末、漁網に絡まった状態で見つかった白骨化した遺体が、北朝鮮に拉致された疑いのある「特定失踪(しっそう)者」の小山修司さん=新潟市、失踪当時(43)=の可能性が高いことが三十一日、千葉県警などへの取材で分かった。 捜査関係者によると、漁網は小山さんの船のものだったことが判明。小山さんが履いていたとみられる長靴も遺体とともに見つかった。 県警は、小山さんが拉致されたのではなく、操業中に漁網に巻き込まれた可能性があるとみて、失踪当時に捜査を担当していた第九管区海上保安本部(新潟)から歯型などを取り寄せ、身元確認を急いでいる。 小山さんは二〇〇四年六月六日未明、一人で出漁後に新潟市沖で行方が分からなくなり、同本部は船から転落したとみて周辺海域を捜索したが発見できなかった。航行記録が消えているなど不審な点があり、特定失踪者問題調査会は〇五年十二月、小山さんを特定失踪者として公表した。 千葉県警などによると、漁網は長さ約四十メートルで直径約一・五メートルのドラムに巻かれていた。〇五年ごろ、小山さんの船を解体した新潟市内の業者から輸出入会社が購入し、保管していた。遺体は今年八月二十九日午前、漁網をドラムから取り外す作業中に、芯に近い部分からつなぎや手袋などを身に着けた状態で発見された。 小山さんの家族らによると、同本部の幹部が三十一日、母親方を訪れ、「遺体は小山さんにほぼ間違いない」と伝え、当時の捜査で漁網を確認しなかったことを陳謝したという。 <特定失踪者> 北朝鮮に拉致された疑いが濃厚か、拉致の可能性を否定できないとされる失踪者。警察庁は、北朝鮮による拉致の疑いが排除できないとして、公開、非公開を合わせ約860人について捜査、調査している。市民団体「特定失踪者問題調査会」は、特定失踪者は約700人いるとし、大部分は警察が把握した失踪者と重なっているとみられる。一方、政府が拉致被害者と認定しているのは12件の計17人で、うち蓮池薫さんら5人は2002年9月の日朝首脳会談を経て翌月に帰国が実現した。 PR情報
|