【東京】在日コリアン 伝える大震災後の虐殺 危ういヘイトスピーチ
多摩地域の在日コリアンや弁護士らの有志が実行委員会をつくって企画したイベント「アリラン 友好と平和への願いを込めて」が三十一日、立川市の女性総合センター・アイム(曙町二)で開かれた。 今年は関東大震災から九十年の節目。震災発生直後に起きた朝鮮人虐殺事件を伝えるとともに、在日コリアンを差別の標的とするヘイトスピーチの動きに対し、不幸な過去を繰り返さないため、相互理解と交流を深める狙い。 パネルディスカッションでは、李英哲(リヨンチョル)朝鮮大学校准教授と、高林敏之(としゆき)早大非常勤講師が登壇し、排外主義的な動きが目立つ国内情勢などについて語り合った。 李氏は関東大震災時と現在で、経済不振など日本の置かれた情勢は似ていると指摘。その上で「ヘイトスピーチは民衆自身の自発的な行動から出ている」と危機感を示した。 高林氏は、北朝鮮の脅威を強調するここ数年の風潮を批判し、朝鮮学校への差別などを正当化するために利用されているとして「あたかもカルト教団を見るかのように一つの国、民族を見るのは誤りだ」と、冷静な対応が必要だとした。 会場では朝鮮人虐殺の実態と、生き残った人の証言などを記録した写真パネル展や、記録映画の上映もあった。 (小松田健一) PR情報
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