プルトニウム汚染地図の衝撃: 院長の独り言

プルトニウム汚染地図

この地図は、文部科学省が発表したプルトニウム汚染地図に色をつけて見やすくしたものです。結論を先に言ってしまうと、このような汚染は全国に広がっているのではないかと勘ぐっています。

福島原発事故が、それを浮き彫りにしたのではないかと思うのです。

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さて、上記のプルトニウム汚染地図について院長先生は以下のように述べています。

『セシウムの分布とは明らかに異なった様相です。しかも、ネット上ではひっそりと発表されていたにもかかわらず、わかりにくい数値のみで、このように濃淡をつけた地図としては誰も発表していません。』

この地図の原典についても院長先生のブログでは明かしていて。その原典はどこに掲載されているかというと。

福島県における土壌の放射線モニタリング(プルトニウム)調査結果 | 文部科学省

この中に以下のPDFがあります。

▼[PDF]福島県における土壌の放射線モニタリング(プルトニウム)調査結果(速報)(平成23年11月29日)(PDF:516KB)

この中に、元となった地図があります(後述)。

この資料には難しい数値が並んでいる表があります。

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これについての解説は以下のとおり。

『3 考察
調査地点(48地点)については、全て原子力事故発生前の国内の調査結果の範囲内であったこと、プルトニウム238とプルトニウム239+240の比率が事故発生前の全国平均(0.0261)とほぼ同程度の比率であったことから、事故由来のものではないと考えられる。

なお、参考調査地点(7地点)のうち、1地点(大熊町夫沢)についてはプルトニウム238とプルトニウム239+240の比率が 0.214 と全国平均(0.0261)より一桁高い比率となっていることから、今回の事故の影響の可能性が考えられる。

(問い合わせ先 原子力班モニタリングチーム 電話024-521-1917)』

政府は、大熊町夫沢町で検出されたプルトニウムだけを、福島原発事故の「影響の可能性がある」と認めています。

それ以外は、「プルトニウム238とプルトニウム239+240の比率が事故発生前の全国平均(0.0261)とほぼ同程度の比率」だとして、福島原発事故由来ではないとしています。

僕が院長先生のブログを読んだ違和感は、以下の記述があったことです。

『-私たち一般市民が、様々な情報に惑わされないようにするには?

「被害を受けている国民の側に立った発言か、放射線を使う側を擁護した発言かを聞き分けるほかしょうがない。そこではっきり分かれます」』

これは肥田舜太郎氏の発言の引用です。

これについては僕はノーコメントです。そういう判断をしても、そうではない判断をしても、個人個人が判断すればよいと思っています。

ちなみに僕は、国民の側にたった発言も放射線を使う側を擁護した発言も、おいしいとこ取りで考えます。誰でも間違いはありうるし、誰もが正しいことを述べうるのです。

ただし、権力がどこにあるのかはきちんと考えたいと思います。

僕は、「医師」という肩書きは権力を発生させるものだと思っていますから、上記のブログを書いた院長先生もまた、僕にとって見れば「医師」という1つの権力だったりします。それだけで院長先生の発言を否定するつもりはありませんが、権力に対しては用心するに越したことはありません。

その院長先生が、上述の肥田舜太郎氏の発言を引用して、どうやらプルトニウム汚染マップは福島由来だと言いたいようなニュアンスの記事を書いていたわけです。

その内容が正しいかどうかわかりませんが、文部科学省の調査結果にはそぐわないわけです。
  • 院長先生 プルトニウム汚染マップは福島由来ではないかというニュアンス(のよう)
  • 文部科学省 ほとんどが福島由来ではない

これのどっちが正しいかは僕にはわかりません。院長先生の説はさておき。文部科学省の調査結果はもしこれが事実ならば、重大な事実がこれまで隠されてきたことを示唆しています。

それは一体何か。

先ほど紹介した文部科学省のPDFには、プルトニウム汚染地図の原型があります。

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※クリックで拡大

この地図には、1つの地点ごとに、数値が記されています。

それはどんな数値なのか。

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このようになっています。これを念頭に、地図上のあるポイントを見てみます。

福島県の南部ですね。

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1kgあたり、63.3ベクレルや63.8ベクレル(プルトニウム239+240)という数値が見つかります。これらは福島原発由来ではないと政府は言っているわけですけれども。福島原発由来であることが事実であっても事実でなくても、ここにプルトニウムが結構な量検出されていることは事実ですね。けっこう僕は衝撃を受けました。

で、福島原発付近はどうかと確認してみると。

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先程(福島県南部)よりは、数値が低いのですね。これが僕には衝撃的なのです。

これらの数値が正しいという前提にたつと、福島原発周辺よりも、福島県南部のほうが「プルトニウム239+240」の値は大きいのです。もともと過去の汚染はあるとは聞いていましたが、比較して明らかに過去のプルトニウム汚染量のほうが多いことに驚いたのです。

つまり、先ほどの色つきのプルトニウム汚染地図は、やはりその点をきちんと反映しているように思います。

プルトニウム汚染地図

政府の言っていることが正しいという前提に立つならば、福島県の中央、南部、西部の赤い部分は、福島原発事故「以前」からこれだけ汚れていたと言えるのではないか。もしそうなら、それは僕にとってはかなり衝撃です。

どういうふうに衝撃的なのか。

チェルノブイリやアメリカの核実験や中国内陸での核実験の影響が、福島原発事故の影響よりも、プルトニウム汚染においては、上回っているということを示唆しているからです。かつてばら撒かれたそれらは、福島原発事故由来のプルトニウムよりはるかに高い濃度で、全国に依然として存在する、という可能性を示唆するからです。

先日、脱東電オフに参加して下さった千葉の農業系の技術者に話を聞いたところ、九州もとっくの昔から黄砂由来の放射性物質等で汚れていると言っていました。なぜ九州はきちんと調査されないのかと憤っていました。それもそのはず、千葉の野菜はNDだけども、売れない。調べても売れない。だけども九州の野菜は売れる。調べなくても売れる。そういうところに、その人は憤っていたわけです。

僕は彼のいうことを否定することは出来ません。

さて、ここで大きな疑問が1つ出てきます。

もし日本全国がプルトニウムで汚れているとしたならば、それはなぜ、福島原発事故以後に明らかにされていないのか。

岩上安身さんが神奈川でプルトニウムを検出したと発表したことがありましたが、その後、福島原発事故以前のものだったという自治体の調査結果が報じられました。その報道を受けて、岩上さんがデマを飛ばしたという意見がネットでは飛び交っていたように思いますが、よくよく考えると、それはそれで、というよりそっちのほうが重大な事実なのではないか。

福島由来だろうが、そうでなかろうが、そこにプルトニウムがあった、ということは事実なのです。

福島原発由来以前のプルトニウム汚染は、以下の3つの原因があると思われます。(※追記、コメントに貴重な意見をいただいています。東海村JCO臨界事故の影響説です)

  1. アメリカ核実験
  2. チェルノブイリ(ロシア)
  3. 中国の核実験後、毎年飛散し続ける黄砂

これらが公になると、外交的に厄介なことになるのではないか。だからそれをできる限り明らかにしないようにしているのではないか(空想)。

ロシア(ソ連)を責めたところですでに国がありませんからどうしようもないわけです。一方、中国とアメリカは、日本にとって現在も利害が大きく絡む国で す。福島原発事故よりも、アメリカや中国がまき散らしたプルトニウムのほうが量が多いということが知れ渡ることになれば、外交上非常にまずいのではないか。

だから、報道はしょっちゅう、チェルノブイリ由来のプルトニウムの話をするのではないか。

今はもう存在しないソ連のせいにしておけば、外交上波風が立たないわけです。

それは、アメリカや中国の核実験由来のプルトニウムの存在を覆い隠すためではないか。

そういった空想をしながら、プルトニウム汚染地図を僕は見ました。

福島原発事故すらが実はスケープゴートなのではないか。それこそがメディアが伝えない真実ではないかと。

だとするならば、院長先生の説は、結果としてより巨大な権力を擁護してしまうことになってしまうわけです。

私の空想に誤りがあればご指摘ください。

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