「学校は安全」は昔話、女子学生寮に男が侵入し性的暴行

堂々と侵入、未遂に終わるも空き部屋に3時間隠れ再犯

 先月30日午前2時20分ごろ、酒に酔った男(25)が野球帽を深くかぶり、釜山市金井区長箭洞の釜山大学学生寮の廊下をうろついていた。この寮は女子学生専用だったが、開いていた出入り口から堂々と入り、中をうろついていた男を止める者は誰もいなかった。2時23分、男は女子学生に性的暴行を加えるため部屋に侵入したが、女子学生が大声を上げて抵抗したため未遂に終わった。だが、男はあきらめず、3時間にわたって学生寮の空き部屋に隠れ、午前5時45分ごろ、3階の部屋で寝ていた女子学生(18)に性的暴行を加え逃走した。釜山金井警察署は、学生寮の監視カメラに写っていた写真や人相、着衣などを基にポスターを作製し配布するなど、公開捜査に乗り出し、わずか1日で市民の通報を受け、男を検挙、逮捕状を請求した。

 大学内の女子学生専用の寮に部外者が無断で侵入し、性的暴行を加える事件がたびたび発生し、学校ももはや「安全地帯」ではない、と懸念する声が高まっている。女子学生たちが生活する空間にもかかわらず、部外者に対する十分な統制ができていないためだ。陸軍士官学校では今年5月、「生徒の日」の記念行事の後、酒に酔った2年生の女子生徒が生活館(学生寮)に戻ったところ、4年生の男性生徒が後をつけ、室内で性的暴行を加える事件が発生した。大学4年間を学生寮で過ごした男性(23)は「寝ていたとき、エアコンの修理業者を名乗る男がドアを乱暴に開けて入ってきたこともある。学生寮が安全だと考えたことはなく、こんなことでは学生寮での性的暴行もいつでも起こり得ることだ、と思った」と話した。

 とりわけ、新学期が始まる3月と9月には、引越しのため部外者の出入りも多く、学生たちは不安を感じている。高麗大学の学生寮では今年3月、宗教団体のメンバーらが各部屋を回って勧誘し、学生たちが抗議する事態となった。また昨年9月には、ソウル大学の女子学生専用の学生寮に部外者の女性が侵入し、寮の部屋から飛び降りる事件も起こった。

 学生寮だけでなく、女子大学全体が不十分な警備のため、さまざまな犯罪の標的となるケースもたびたび発生している。先月13日夜、ソウル市西大門区デヒョン洞の梨花女子大学のキャンパスでは、女子学生たちの前でズボンを下ろし、体の一部を露出させた男(32)が警察に検挙された。男は「女子大生たちに体を見せたらどう感じるか気になってやった。以前にも同じことをやったことがる」と供述した。一部の女子大学のキャンパスでは、昼間はもとより夜間にも部外者の男性の立ち入りを統制していないため、男性たちがキャンパス内で酒盛りを繰り広げる事態に至っている。

 「学校は安全だ」と信じていた女子学生の親たちは、最近学校内で性犯罪が相次いでいることにショックを受けている。娘がソウル市内の女子大学の学生寮で過ごしているという男性(53)は「大学の学生寮は安全だと信じていたが、寮の中に部外者が立ち入っても制止できないというのは衝撃的だ」と話した。また、別の学生の親(48)も「女子学生専用の寮で、それも性的暴行犯が、1回の未遂にとどまらず、3時間も隠れていながら、寮が学生たちに注意を促せず、その間に犯人がターゲットを見つけたという事実には身の毛がよだつ思いだ」と話した。

釜山=朴柱栄(パク・チュヨン)記者
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