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【大リーグ】

あるぞ!!ヤ軍の逆転PS進出 ノバ初完封、カノ援護で投打の歯車ガッチリ

2013年9月2日 紙面から

◇ヤンキース2−0オリオールズ

 【ニューヨーク穐村賢】ヤ軍の大逆転でのポストシーズン(PS)進出あるぞ!! ヤンキースは8月31日(日本時間9月1日)、地元でのオリオールズ戦に先発右腕イバン・ノバ(26)の快投などで2−0と快勝し、ア・リーグのワイルドカード(WC)順位で3位に浮上、PS進出圏のWC2位レイズに3.5ゲーム差に迫った。一時は勝率5割近くまで落ち込み、PS進出は夢のまた夢と思われたが、残り27試合、地元紙記者に「確率2.6%、いやそれ以下」と小ばかにされたPS進出が現実味を帯び始めた。

 メジャー2年目(実質1年目)の2011年シーズンに16勝を挙げ、その名前から「超新星」と評された男がようやく本領を発揮した。

 9イニングを3安打無失点で自身初の完封勝利。「自分でも信じられないよ。いつもチームを勝たせようと投げているけど、こんな投球ができるなんて。完封がこんなに気持ちのいいものだとは知らなかった」。最後の打者ジョーンズを遊直に打ち取ると、右手で何度もグラブをたたき、喜びを爆発させた。

 80マイル(約129キロ)台の大きく縦に割れるカーブが効いた。最速95マイル(約153キロ)のツーシームとの相乗効果で、オ軍打者のバットがくるくる回る。この日の5三振は全てその“宝刀”で奪ったものだった。

 敵将ショーウォルター監督も「えげつないカーブを投げる。制球も良く、失投もなかった。ベンチ内で『何とかならんのか』と言うのは簡単だが、ア・リーグで防御率2・90前後の投手相手では簡単ではない」とお手上げだった。

 右翼でノバの快投を見守ったイチローも「(強打の)ボルティモア相手に完封はすごい。ベストに近いとは思うけど、常に可能性を感じさせますからね」。春先は出遅れ、一時は傘下マイナー落ちも7月以降5勝2敗と巻き返しの原動力ともなっている若手右腕を褒めちぎった。

 ノバの小気味いいまでの投球に打線も応える。1回に先制の適時二塁打を右翼線に記録したロビンソン・カノ二塁手(30)は8回にも25号ソロ弾で孤独なマウンドを続けていたノバを勇気付けた。

 PS進出に向けて大きな意味を持つライバルとの3連戦。前夜は自身の逆転弾で勝利を呼び込み、この日はノバの完封劇と日替わりでヒーローが生まれる状況に、イチローは「何かが欠けている時は何かで補うしかない。それは当たり前。全部そろったチームなんてありませんから」と好循環を見せ始めたチームに手応えを感じているようだった。

 5年連続PS進出の可能性もにわかに膨らんだ。“目の上のたんこぶ”レイズとはなお3・5ゲーム差も、直接対決が3試合残るなど、十分に詰められる範囲。ジラルディ監督はこの日の試合後、こんな言葉を繰り返した。「休んでなんていられない。4つ、5つと勝ち続けるしかない」

 

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