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できごと
府の浸水対策「地下河川」建設前倒しへ 松井・大阪府知事「完成急ぐ」
大阪市など12市にまたがる276平方キロメートルのエリアは「寝屋川流域」と呼ばれる。南北を淀川と大和川、東西を生駒山地と上町台地で挟まれる低地で水はけが悪く、大半の地域は雨水が自然に河川に流れ込まない。そのためいったん雨水を下水道に集め、ポンプで河川に強制排水している。
府面積の7分の1を占めるこのエリアは、府民の約3分の1の約273万人が居住する人口集積地。昭和30年代から急速に都市化が進み、地表がアスファルトやコンクリートで覆われたため、豪雨で雨水が一気に下水道や河川に流れ込むと、ポンプの排水能力を超えてあふれる浸水被害が多発するようになった。
昭和32年、八尾市で戦後最大となる1時間当たり62.9ミリ、1日当たり311.2ミリの雨を記録。この雨量を基準に平成2年、寝屋川流域整備計画を策定し、総予算約1兆円の建設プロジェクトが始動した。
プール5千杯分
いずれも完成すれば、地下河川の終点に設置したポンプで河川に排水するが、それまでは雨水をためておく貯留施設として使用している。現在の貯留能力は北部が13万立方メートル、南部(付属施設含む)が96万立方メートルで、2つで25メートルプール約5千杯分。府によると、完成すれば1時間に50ミリを超える雨でもほとんど浸水被害は発生せず、1時間に65ミリの雨でも床上浸水しない想定で、府は被害削減効果を約7兆円と試算する。
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