フランス:ナチスが住民虐殺の村…独大統領が初訪問へ

毎日新聞 2013年09月01日 22時38分(最終更新 09月01日 22時58分)

ドイツのガウク大統領=小谷守彦撮影
ドイツのガウク大統領=小谷守彦撮影

 【パリ宮川裕章、ベルリン篠田航一】第二次世界大戦中のドイツ占領下で、ナチス親衛隊が住民642人を虐殺する事件があったフランス中部オラドゥール村を、ドイツのガウク大統領が、独首脳として戦後初めて訪問する。AFP通信が1日、報じた。独仏友好条約(エリゼ条約)締結50周年を記念し、オランド仏大統領とともに当時の廃虚を4日訪れる。独仏の戦後和解を象徴する訪問として注目されている。

 オラドゥール事件は1944年6月10日、ナチス親衛隊が突如襲撃し、住民を教会や穀物倉庫に集めて閉じ込め機関銃掃射と放火で虐殺した。ナチス抵抗運動レジスタンスのメンバーが隠れているとの誤った情報などが原因とされる。親衛隊の部隊の中に、大戦中にドイツ領となった仏東部アルザス・ロレーヌ地方出身のフランス人も含まれ、仏社会にも禍根を残した。これまで遺族がドイツ首脳の訪問を拒否してきた。

 焼けて廃虚となった村中心部は戦後、仏政府の決定で当時のまま保存されている。両大統領は廃虚を訪れ、事件の生存者と面会する。AFP通信は84年に仏北東部の第一次大戦の激戦地、「ベルダンで当時のミッテラン大統領とコール西独首相が平和を誓って以来の象徴的訪問」として伝えている。

 ガウク大統領は旧東ドイツで民主化デモを主導した元牧師。人権問題などに意欲的な姿勢で知られる。昨年3月の大統領就任後、ナチスによる虐殺が行われたチェコのリディツェ村、イタリアのサンタンナ・ディ・スタツェーマ村をいずれもドイツ大統領として戦後初めて公式訪問し、犠牲者を追悼している。

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