【筒井次郎】世界遺産・二条城(京都市中京区)で二の丸御殿(国宝)入り口にある唐門(からもん、国重要文化財)の修理が終わり、28日から通り抜けられるようになった。1年9カ月かけ、漆塗りの破風(はふ)や極彩色の彫刻で飾られた荘厳な姿がよみがえった。
徳川家康が1603年に築いた二条城には国宝・重要文化財が計28棟あるが、老朽化で傷みが激しくなり、京都市が2011年度から20年計画で大修理を開始。第1弾の唐門には金箔(きんぱく、約11センチ四方)約6万枚を使った。1619カ所の彫刻も修復。費用は1億8200万円にのぼった。
修理中、垂木(たるき)の飾り金具で、皇室の菊紋の下に徳川家の葵紋が見つかった。明治維新などを経て、城の所管が新政府に移った明治中頃の改装とみられるという。