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超大型加速器「国際リニアコライダー(ILC)」を誘致する研究者組織が、岩手県南部と宮城県北部にまたがる北上山地を国内候補地に選んだのを受け、政策シンクタンクの国際経済政策調査会(東京)は1日、候補地の地元、一関市大東町で講演会を開いた。
国の誘致決断へ向けた環境づくりが狙いで、住民ら約300人が参加。高エネルギー加速器研究機構の名誉教授で、東北大と岩手大の客員教授を務める吉岡正和氏が「東北ILCの実現」と題し講演した。吉岡氏は「高齢化が進む中で子どもたちに希望ある未来を残すため、地域が受け身にならず積極的に取り組むことが必要だ」と訴えた。
吉岡氏は候補地に選定された北上山地について「地質、交通、気候、生活、文化のどれも素晴らしい環境」と語った。誘致が実現した際の課題としては「(産学連携を促す)ネットワークやコーディネーターが必要だ」と指摘した。