次期哨戒機:全エンジン止まる…形状変更原因か
毎日新聞 2013年06月21日 07時31分(最終更新 06月21日 09時09分)
神奈川県の海上自衛隊厚木基地に今月末に追加配備予定だった次期哨戒機P1が飛行停止になった問題で、飛行試験中のトラブルは、4基あるエンジン全部が停止するものだったことが防衛省関係者への取材で分かった。しかし同省は20日の記者会見で、停止したエンジンの数を「複数としか言えない」とし、同基地周辺自治体にも全停止を説明していなかった。同基地には既に別のP1が3機配備されて運用試験中で、不安が広がって今後に影響するのを避けるためとみられる。
同省航空機課によると、メーカーの川崎重工業が5月13日、愛知県沖の太平洋上で、速度超過の警報機の作動確認をするため、高度1万メートルから約8000メートルに急降下させた後、エンジン出力を急激に下げながら飛行姿勢を立て直したところ、エンジンが止まった。手動でエンジンが再起動し、無事着陸した。
エンジンの形状を一部変更したのが原因とみられ、追加配備予定だった2機のP1の飛行試験は5月14日以降行っていない。防衛省幹部は今回のトラブルについて「想定内で危なくはない」と説明する。しかし別の幹部は「P1は独自に開発した純国産機。影響が大きくなると思ったのだろう」と指摘している。【鈴木泰広、青木純】