@olgn__ おるがん。@人見知り
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「狩りの最中の、変わったこと?」
ガヤガヤと騒がしい集会所の奥で、Nobutunaはフリーのハンターに声を掛けられた。
40代くらいの、ランスを背負った大男だ。
「ああ。経験、無いかい」
ぐいと酒を煽る男がどういった意図をもって質問してきたか、Nobutunaには測り切ることができない。
しかし、ただの噂や世間話にしては雰囲気が重々しくもある。
「俺はないが、仲間になら」
「ほう、どんなんだい?」
「異常なまでに攻撃を回避するとか」
Nobutunaはあのよくわからない弓使いを思い浮かべる。
暴力を形にしたような轟竜の攻撃をふわふわと躱しながら有効打を与える姿は、正に男の言う「変わったこと」だろう。
「そいつは興味深いな。初めて聞いた。だがな……」
アプノトスの香草焼きを豪快に頬張った男は咀嚼する間、ポーチから小さなピアスを取り出した。
特に変わったものではなく、小さな黒い石が嵌められている。
「……こいつを見たことないかい?」
「無いな。初めてだ」
頭を振って答えるNobutunaに、男は薄く笑う。
「そうかそうか。……こいつはな、この辺でも取れる普通の鉱石が嵌められてる。この黒いヤツだ。だが、ここから遥か南の村では、この鉱石が特殊加工されているんだよ。不思議な話じゃねぇか?」
「まぁ、ギルドの管理下に有るのに鉱石の加工法が違うっての不思議な話だ。特にありふれたものなら。……有用なスキルでも隠したいのかね?」
「鋭いな。その通りだよおサムライさん」
そこで男は口を閉じた。
Nobutunaが顔を合わせればニヤリと笑みを深くする。
「……おごるよ」
「悪いな」