宇宙航空研究開発機構(JAXA)は30日、新型ロケット「イプシロン」の打ち上げ中止について、ロケットと地上設備の信号のやりとりの設定ミスで約0.07秒のずれが生じたことが原因と発表した。このミスは2回のリハーサルで見落としていた。JAXAは他に問題がないか総点検する方針で、9月の早い時期としていた打ち上げ再挑戦が遅れる可能性もある。
イプシロンは27日、鹿児島県肝付町の内之浦宇宙空間観測所で発射19秒前に自動停止した。地上の管制施設のコンピューターがロケットの姿勢を異常と判定したためだ。
JAXAによると、発射20秒前に、地上側コンピューターが指令を送り、ロケットに搭載したコンピューターを起動させる。ロケットのコンピューターは傾きなどを検知するセンサーのデータから計算して結果を地上へ送信。地上側コンピューターが適切な姿勢なのか判定する仕組みになっている。
地上側コンピューターは指令を出した1秒後に、ロケットからデータを受け取る設定になっていた。しかし、実際にはロケットのコンピューターに指令が届くまでに0.07秒余計にかかり、地上側コンピューターはデータが届く前に判定を始めてしまった。このため、ロケットは正しい姿勢だったにもかかわらず異常と判断し、自動停止したとみられる。
20日のリハーサルでは地上側コンピューターに別の問題が発生して対処に追われ、翌21日のリハーサルは悪天候で本番のような作業をできず、不具合に気付かなかった。
順調にリハーサルできていれば見つけられた可能性があり、森田泰弘イプシロンプロジェクトマネージャは「悔いが残る。打ち上げを1日延期していれば、検出できた」と語った。
今回の不具合は地上側コンピューターのプログラムの微修正で解決可能だが、JAXAは他部門の専門家を交えた十数人による検証チームを作り、他に問題がないか徹底的に調べる。このため、打ち上げ時期は未定としている。
イプシロン、JAXA、ロケット、内之浦宇宙空間観測所
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