宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、12年ぶりに開発した国産新型ロケット「イプシロン」1号機を、8月27日午後1時45分に鹿児島県・内之浦宇宙空間観測所から打ち上げるはずでカウントダウンも行われたが、予定時刻を過ぎても打ち上げしなかった。朝日新聞デジタルによると、JAXAが「問題が生じたため、本日の打ち上げは中止」と発表した。

JAXAの奥村直樹理事長は16時から会見を開き、「発射させるに至らなかったことについて、数多くのご支援いただいた皆様、関係者の皆様のご期待に添えず、まことに申し訳ございませんでした」と謝罪した。その上で、「これから原因究明をして、必ずやこの国民の期待に添えるように努力したいと思います」と話した。

午後1時45分の発射予定時刻に向け、カウントダウンが始まったが、19秒前にシステムが自動停止した。ロケットの姿勢に異常を示すデータが見つかっためだという。JAXAでは現在、詳しい原因を究明中だ。

開発責任者の森田泰弘教授は26日の会見で「準備は問題なく進んでいる。成功は絶対に間違いなく、自信を持って臨みたい」と強調。ロケット発射台がある鹿児島県肝付町には約1万人の見学者が集まっていた。

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