TOEICでまた集団不正、音声変換アプリを悪用

無線装置開発し正解を転送、工大出身者ら4人を逮捕

 今年6月末、韓国各地で国際コミュニケーション英語能力テスト(TOEIC)の試験を受けていた「依頼人」たちは、試験終了30分前になると、耳にこっそり付けていた小型受信機に全神経を集中させた。小型の磁石が入っている受信機からは、20問単位で正解が流れてきた。財布やかばんにはスマートフォン(多機能携帯電話端末)が入っており、首には円形コイルがネックレスのように掛けられていた。スマートフォンの文字を音声に変換するアプリを利用し、変換した声を円形コイルを経由して受信機で受信するという手口だった。この無線装置を考案したのは、地方にある工科大学出身の男(24)だった。

 ソウル地方警察庁広域捜査隊は30日、こうした手口でTOEIC受験生たちに正解を教えて金を受け取っていた容疑でこの男を逮捕し、共犯の女(24)とそのきょうだいら3人を在宅起訴したと発表した。また、犯行グループに100万-300万ウォン(約8万8400-26万5100円)を渡して正解を受信していた依頼人17人も在宅起訴した。

 警察によると、犯行グループは今年5月と6月に実施されたTOEICで、受験生25人から総額5000万ウォン(約440万円)を受け取って正解を伝えていたという。犯行グループのうち2人はTOEIC高得点者で、依頼人らと同じ日に試験会場で受験し、問題を分担して解いた。2人は受験票の裏にこっそり答えを書き、試験終了30分前に「トイレに行きたい」と言って退室し、スマートフォンで答えを撮影して仲間に転送した。画像を受信した仲間らは、依頼人たちに20問ずつ答えを送り、依頼人たちは受信機を通じて答えを聞き取った。この不正によって依頼人たちは800-900点の高得点をマークした。

チェ・ヨンジン記者
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