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【経済】TPP交渉 合意済み事項覆せず ブルネイ会合閉幕 後発不利政府認める【バンダルスリブガワン(ブルネイ)=吉田通夫】ブルネイで開かれていた環太平洋連携協定(TPP)交渉会合は三十日、日本の参加前から交渉を進めていた十一カ国で合意した条文案について、日本政府が変更を求めないまま実質的に終了した。鶴岡公二(つるおかこうじ)首席交渉官は、先行する国で合意していた条文案を覆すことができないことを認めた。国民生活に影響があるTPPにもかかわらず、国民に内容が明かされないまま合意に向けて進んでいることが浮き彫りになった。 前回会合を開いたマレーシア政府は六月に、二十九章の条文案のうち「税関手続きの簡素化」など十四章の議論が「実質的に終わった」と公表している。鶴岡氏は「(先行する国が)議論を積み上げて決めたことを、後から全部ひっくり返すことはできない」と語った。 昨年から交渉に参加したカナダとメキシコには、厳しい条件を課す念書が極秘に送られたことが分かっている。この中では、合意済みの事項は覆せず、後から参加した国が交渉を不当に遅らせていると判断した場合に先行国が「交渉をいつでも終わらせることができる」、後発国に交渉を打ち切る権利はない、などとしている。日本政府は同様の念書が送られたのかを明らかにしていない。 交渉参加国は、九月十八〜二十一日に米国・ワシントンで非公開の首席交渉官会合を開催。十月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で発表する成果をまとめる作業を行う。 PR情報
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