三重・朝日の中3殺害:遺棄現場、広がる闇 少ない街灯、歩行者なく

2013年08月31日

 三重県四日市市立朝明(あさけ)中学3年、寺輪(てらわ)博美さん(15)=同市山村町=が25日夜に殺害され、同県朝日町の空き地に遺棄された強盗殺人、死体遺棄事件。県警特別捜査本部は、寺輪さんが花火見物からの帰りに、最寄り駅そばのスーパーで友人と別れ、自宅に向かって約20分歩いた後、遺棄現場近くで襲われたとみている。30日夜、その足取りをたどった。【谷口拓未】

 午後10時半、寺輪さんが降りたJR朝日駅(朝日町)から、寺輪さんと友人が別れたスーパーに向かって記者が歩いた。駅から直線で約300メートル。住宅街を抜けて午後10時38分に到着した。スーパーは午前0時まで営業している。県道を挟んでガソリンスタンドとコンビニがあり、周囲は明るい。事件当日の25日も、花火見物帰りの人でにぎやかだったという。

 スーパー駐車場には30台以上の車があった。中学3年の娘(15)と一緒に来店した女性(35)は「(遺体遺棄現場近くは)暗くて怖い。娘には人通りの多い道を使うように言い付けているが、事件があってからは一人で行動させないようにしている」と、娘に寄り添った。

 駐車場を出て寺輪さんの遺体が見つかった空き地に向かった。寺輪さんの自宅へは、付近で最も広い県道を歩くが、スーパーから遠ざかると暗さが増していく。道沿いに住宅はあるものの、明かりは漏れてこない。地元の人の話では、夜間に出歩く人はほとんどいないという。一度だけ取材中の報道関係者とすれ違ったが、約1メートルまで近付いてやっと相手の顔が見えるほど暗かった。現場の空き地に近付くにつれ、街灯がさらに減った。街灯は約150メートルおきにしかない。車の交通量はそこそこある。しかし、車の往来が30秒以上途絶えることもあり、暗くて足元さえ見えなくなる。

 午後10時56分、空き地の前に着いた。寺輪さんが無料通信アプリ「LINE」(ライン)で友人と最後のやり取りをしたのとほぼ同じ時刻だ。ここから約1キロ離れた寺輪さんの自宅へのルートは複数ある。広い県道をそのまま進んでも、約300メートル離れた伊勢湾岸自動車道のガードまで街灯はまったくない。ガードをくぐると、やや明かりが増え住宅やコンビニなどもある。

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