「この世界をクラヤミのものにしてやるぞ~!」
その一言をきっかけにして、俺たちの世界には朝が訪れなくなってしまった。
以前と変わらずに四季を保ったまま、自らを‘クラヤミ’と名乗るメルヘンチックな存在が現れたんだ。
ブリキのロボット、ファンシー人形、ミニチュア機関車などなど……まるでおとぎ話から飛び出してきたような、見た目愛くるしい姿。
警官や自衛隊も駆けつけたけど、外見通りに普段はおちゃらけているくせに本気を出すと滅法強い‘クラヤミ’たちに尻尾を巻いて逃げ出すし。
結局、俺たち人間の力では到底敵わない相手だと思い知らされ、取り立てて実害のない‘クラヤミ’は、次第に受け入れられるようになった。
だけど、対抗する手段が 1つもないわけじゃなく、世界にはもうひとつの変化が訪れていた。
その名も魔砲使い。‘魔砲器’と呼ばれる箒状の武器を手にして、空を駆けて魔砲を振るうファンタジーな存在。
クラヤミに対抗できる唯一の力で、現在引く手数多の職業として重宝される存在となっている。
もちろん、需要があれば供給もあるわけで。 来るべき次代に備えて、魔砲使いの育成を専門とする学園が設立されていた。
通称・魔砲都市の名を持つアカトキ市に存在するマジックアカデミー。
この物語はマジックアカデミーに入る魔砲使いとその仲間、そして、たくさんのクラヤミによって繰り広げられる不思議な物語である。
さあ、マジックアカデミーにようこそ!
最高に騒がしい毎日がキミたちを待っている!