宮城のニュース

被災漁船、気仙沼に帰る 津波で大島から流失、美術館に寄贈

2年半ぶりに帰還した小型漁船「千代丸」=30日、気仙沼市

 東日本大震災の津波で宮城県気仙沼市の離島・大島から流失し、福井県沖で発見された小型漁船「千代丸」(全長5.6メートル、約0.7トン)が30日、約2年半ぶりに古里に帰還した。同市のリアス・アーク美術館に収蔵される。
 福井県から陸送された千代丸は、所有者の養殖業村上千代志さん(56)が見守る中、美術館の駐車場でトラックの荷台から降ろされた。村上さんは「自分で船体に書いた『千代丸』の文字を見た時に、こみ上げてくるものがあった」と感慨深そうに話した。
 漁船は港で係留中に流され、太平洋を漂流後、東シナ海から対馬海流に乗って日本海に流されたとみられる。
 ことし6月に沖縄・尖閣諸島沖で発見されたが、悪天候で回収できなかった。8月3日に福井県坂井市沖の日本海で再び見つかり、敦賀海上保安部(福井県敦賀市)の巡視船が回収。滋賀県長浜市の建設会社が無償で気仙沼市まで搬送した。
 村上さんは、知人から譲り受けた別の船で養殖業を再開しており「震災の記憶を伝える資料として役立ててほしい」と美術館に寄贈した。美術館は当面、漁船を一般公開せず、展示の可否や在り方を検討する。


2013年08月31日土曜日


Ads by Google


宮城
RSS

△先頭に戻る

新着情報
»一覧
特集
»一覧
  • 47NEWS