神奈川県教委:「公務員に国旗強制」記述の教科書変更指導
毎日新聞 2013年08月06日 21時26分(最終更新 08月07日 00時32分)
国旗掲揚と国歌斉唱について「一部自治体で公務員への強制の動きがある」と記述した高校歴史教科書の採択を巡り、神奈川県教育委員会は6日、使用を希望していた県立高28校すべてが、県教委の指導に従い別の教科書に変更したと明らかにした。
県教委によると、使用の見直しを求めたのは実教出版の「高校日本史A・B」。来年度の教科書選定で28校が使用を希望していた。だが、7月23日の県教委臨時会で、複数の教育委員が「(掲揚などは)強制ではない」などと記述内容を問題視し、採択できない可能性を指摘した。これを受け県教委は翌24日、県立高校長が集まった会議で、使用を見直すよう指導していた。
この教科書は国の検定を通っており、今年度は県立高5校が使用しているが、具志堅幸司・県教委委員長は「事実と異なる記述がある教科書は採択できない。最終的な決定権は採択権を持つ教委にあり、不当な介入ではない」と話した。
同社の「高校日本史A・B」を巡っては、東京都教委も6月、「使用不適切」とする見解を示した。【北川仁士】